がんを克服する生活習慣
Lifestyle to overcome cancer
もくじ
肺がんの医学
執筆者
がんを克服する生活習慣
日本の2人に1人が一生のうちに1度は癌になると言うデータがあります。
以前の日本人の長生きの高齢者を集めても2人に1人が癌ではありませんでした。
比較的高齢の欧米諸国をみても、死亡の原因ベスト3に、癌はありません。
日本人の癌の原因が生活習慣や感染であると思われるデータがあります。
癌になりたくない人や癌になってしまった方は、生活習慣を改善することで、がんになる確率を下げたり、癌を克服できる確率が高まります。
日本人の癌の要因
男性
喫煙
受動喫煙
感染
飲酒
塩分摂取
過体重・肥満
野菜摂取不足
果物摂取不足
運動不足
女性
感染
喫煙
受動喫煙
飲酒
過体重・肥満
塩分摂取
果物摂取不足
運動不足
野菜摂取不足
ホルモン剤使用
その他よくいわれている原因
薬
防腐剤
農薬
放射能
病院や薬局で気軽に使われている?ような薬は基本的に腐りませんね。
がんを予防する生活習慣
禁煙、節酒、食生活の改善、体を動かす、適正体重の維持、の5つの生活習慣の改善をすることで、がんになる確率を低くすることが可能です。
実際に、禁煙、節酒、食生活の改善、体を動かす、適正体重の維持、の5つの生活習慣に気をつけて生活している人とそうでない人の将来ガンになる確率は、
男性で約5割、女性で約4割、がんになるリスクが低くなる推計が、国立がん研究センターから示されています。
禁煙と受動喫煙の回避
タバコを吸う人は、吸わない人に比べ、がんになるリスクが、約1.5倍高まります。
タバコは肺がん、食道癌、膵臓がん、胃がん、大腸がん、膀胱がん、乳がんなど多くのがんに関連することが示されています。
タバコを吸っていなくても自動喫煙することで、肺がんや乳がんのリスクは高まります。
受動喫煙は、肺がんの中でも腺癌になる確率が高まると言うデータがあります。
肺がんにかかってしまった場合、タバコを吸っている方は禁煙をこころがけます。
吸っていない人はタバコの煙を出来るだけ避ける生活を心がけることが大切です。
節酒もしくは禁酒する
1日あたりの平均アルコール摂取量が、純エタノール量で23グラム未満の人に比べ、46グラム以上の場合で約40%癌になるリスクが高まります。
69グラム以上の摂取で約60%癌になるリスクが高くなります。
特に飲酒は食道癌や大腸癌と強い関連性があります。
特に女性では乳がんのリスクが高くなることが示されています。
女性の体質は男性よりも飲酒の影響を受け易くより少ないアルコール量でがんになるリスクが高まると言う報告もあります。
食生活の改善
塩分の取りすぎ、野菜不足、果物不足、熱すぎる飲み物や食べ物を取る、と言う生活習慣が癌の原因になることが明らかになっています。
食生活を見直す事は、胃がん、食道がん、食道炎のリスクを軽減します。
塩辛や漬物など塩分濃度の高い食べ物を摂ることで胃がんになるリスクが高いと言うデータがあります。
塩分を抑える食生活は、癌の予防だけでなく高血圧や循環器疾患のリスクの低下にもつながります。
野菜や果物にはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。野菜や果物の摂取が少ないグループではがんのリスクが高いというデータがあります。
果物や野菜を摂る事は、脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病の予防にもつながります。
身体を動かす
仕事や運動で、体を動かす量が多い人ほど、がんの発生リスクが低くなると言う報告があります。
身体活動量の高い人は、癌だけではなく、心臓病などの生活習慣病のリスクも低くなります。
スポーツや運動をする機会が多い人は、機会が少ない人に比べて、癌になるリスクが低下します。
男性では結腸癌、肝癌、膵がん、女性では胃がんになるリスクが低下する研究が、国立がん研究センターより報告されています。
運動習慣
ウォーキングを毎日60分程度
+
息がはずみ汗をかく運動を毎週60分程度
適正な体重を維持する
男性はBMI20〜27、女性はBMI21〜25の範囲になるように体重を管理すると癌のリスクが軽減します。
BMIは
体重÷(身長×身長)=BMI
例
体重60kg
身長160cm
60÷(1.60×1.60)=23.4BMI
男性も女性も、癌を含む全ての病気による死亡リスクは、太り過ぎでも、痩せすぎでも、高くなります。
男性のがんの死亡リスクは、太り過ぎよりも痩せている人のリスクが高いことがわかっています。
女性のがんの死亡リスクは肥満の人が痩せている人に比べて25%高くなりました。
肥満は閉経後、乳がんのリスクになるという報告がされています。
感染症が癌のリスクを高める
日本人の癌の要因として、女性で一番多いのが感染症です。
男性でも2番目に多いのが感染症です。
ウイルス感染の原因の多くは性行為によるものです。
ウィルスや細菌に感染したら必ず癌になるわけではありませんが、癌になるリスクが高まるといわれています。
ウイルス・細菌と癌の種類
B型、C型肝炎ウイルス
肝がん
ヘリコバクター・ピロリ菌
胃がん
ヒトパピローマウイルス(HPV)
子宮頸がん
ヒトT細胞白血病ウイルス1型
(HTLV-I)
成人T細胞白血病・リンパ腫
肝炎ウイルス
B型、C型肝炎ウイルスは血液によって感染するリスクが高まります。
B型肝炎ウイルスは精液により感染リスクが高まります。性交渉により感染リスクが高まります。
過去の集団予防接種や病院の治療(注射針の使い回し)で、肝炎ウイルスに感染している人が大勢います。
薬や手術を含めた医療行為はその時推奨されていても、後になって副作用や後遺症で、中止になることが多々あります。
患者側は一生その副作用や後遺症を背負わなければなりません。
ヘリコバクター・ピロリ菌
医療感染も疑われています。
消毒の不十分な医療行為として胃カメラや歯科治療などが原因でピロリ菌の感染リスクが高まることがいわれています。
一般的にはヘリコバクター・ピロリ菌は水や食べ物の摂取からの感染が多いとされています。
免疫力の低い幼児期に、井戸水や川の水などを食べ物と一緒に摂取して感染することが多いようです。
幼児は胃酸酸度や分泌量が低いので、ピロリ菌が胃内で生き続けやすい環境です。
さらに、ストレスなどで免疫力が落ちると、ピロリ菌の繁殖が増加します。
ヒトパピローマウイルス(HPV)
ヒトパピローマウイルス(HPV) は性交渉を介して感染します。
HPV感染症は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症です。
感染する部位は、子宮、肛門、膣、咽頭などが代表的です。
性器と接触することで感染します。
子宮頸がん、肛門がん、膣がん、咽頭がんなどの原因となります。
ヒトT細胞白血病ウイルス1型
主な感染の経路としては母子感染と性行為による感染です。
お母さんがウイルスをもっていると、子供に感染します。
性行為により、キャリアの持つHTLV-1に感染した血液細胞(ウイルス感染細胞、リンパ)により、感染リスクが高まります。
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参考文献
科学的根拠に基づくがん予防
がんになるリスクを減らすために
がんを知る
国立がん研究センター
がん対策情報センター
図書印刷株式会社 2018年
関連リンク
がんを予防するためには
とうきょう健康ステーション
がんを遠ざける生活習慣
国立がん研究センター
Cancer prevention: take charge of your lifestyle
National Library of Medicine