妊娠期一過性甲状腺機能亢進症
英語
Transient hyperthyroidism during pregnancy
妊娠期一過性甲状腺機能亢進症
妊娠期一過性甲状腺機能亢進症は、妊娠中に胎盤からヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)とよばれるホルモンの分泌により、一時的に甲状腺ホルモンが過剰に合成分泌されてしまう症状です。
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は 脳下垂体から分泌されるTSH(甲状腺ホルモンの増産分泌を促すホルモン)と似た構造をしているため、hCGが高くなる妊娠8~12週ぐらいに甲状腺が間違えて刺激されてしまい、甲状腺ホルモンが過剰に合成・分泌されてしまうことがしばしばあります。
妊娠中に発見される甲状腺機能亢進症の多くは妊娠期一過性甲状腺機能亢進症です。
特につわりのきつい方が多く、バセドウ病患者とは異なりTSHレセプター抗体は正常です。
甲状腺機能亢進症の程度は軽く、一過性がほとんどなので、治療は行わずに経過をみるのが一般的です。
甲状腺機能亢進症の程度が強いときは一時的にヨード剤を使用する場合もあるようですが、バセドウ病と誤診している場合もあるようなので注意が必要です。
バセドウ病と誤診して不必要な薬を服用していると、甲状腺機能が低下してしまう恐れがあります。
妊娠中にバセドウ病といわれて薬を出された方は、甲状腺の専門医を受診してセカンドオピニオンを仰ぐことをお勧めいたします。
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関連外部リンク
Transient Non-Autoimmune Hyperthyroidism of Early Pregnancy
Hindawi
Hyperthyroidism in Pregnancy
National Institutes of Health (.gov)
Hyperthyroidism in the pregnant woman: Maternal and fetal aspects
ScienceDirect