甲状腺機能低下症と神経症 |
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Hypothyroidism and neurosis
甲状腺機能低下症と神経症
強度な甲状腺機能低下症では精神症状や昏睡症状をきたす報告は知られています。
また甲状腺機能は正常に補われているにもかかわらず、神経症の症状をきたすばあいもあり、これを橋本脳症とよびます。
橋本脳症では、抗マイクロゾーム抗体 (TPO抗体)陽性で、抗体サイログロブリン抗体 (TG抗体)が高値を示すのが特徴です。
甲状腺機能は正常にホルモンを分泌している場合や、低下している場合、亢進している場合などさまざまです。
甲状腺機能低下症で知られる橋本病は女性に多く、30代~40代に増える病気の一つです。
自己免疫疾患の一つとして考えられ、甲状腺を自分自身の抗体が攻撃してしまうことで、甲状腺機能に炎症などの異常を起こすとされています。
慢性的に甲状腺が腫れて甲状腺機能が低下すると、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの量が血液中に少なくなってしまうことで、さまざまな症状を起こします。
甲状腺ホルモンは新陳代謝を活性化するホルモンなので、不足すると、やる気が起こらなくなったり、冷え症になったりするだけでなく、乾燥肌、汗をかきにくい、むくみ、便秘、かすれ声、食欲低下、月経が多い、脱毛、耳が遠い、貧血、眉毛が薄いなどの症状がおこります。
慢性甲状腺炎の方の甲状腺の炎症が急激に悪化して痛みを伴ったり、発熱をおこしたりすることがあります。
これを橋本病の急性増悪とよびますが、この時、甲状腺ホルモンの分泌量が一気に増して、まるでバセドウ氏病のような橋本病とは反対の症状をともなう時があります。
異常に活動的になり、ハイテンションによる不眠や高血圧などの症状が、ノイローゼや不安神経症の症状と間違えられることもあります。
一般的な健康診断の血液検査には甲状腺ホルモンの検査は含まれていないことも多いので、そのまま、精神科や心療内科で神経症の治療として診察を続けている方も少なくありません。
橋本脳症には甲状腺自己免疫があります。
神経症、いわゆるノイローゼの方にはそれが認められません。
神経症 (ノイローゼ) 概要
神経症は主に心理的原因によって生じる心身の機能障害の総称です。
「不安」を主訴とする心の病気で、過敏で神経質な性格をもつ人が多いといわれています。
神経症の要因
神経症の方に多い特徴は、まじめで、責任感が強く、理想を追う。
粘り強く、融通がきかない。
繊細でかつ過敏。
向上心が強く、心の葛藤を抱く。
一般的な人が気にしないようなことに対しても、いてもたってもいられない、などがあげられます。
神経症の症状
神経症の症状の代表的なものは、突然不安に襲われて、呼吸困難、動悸などの発作が出る「パニック障害」や、高所恐怖、広場恐怖のように、特定のことに過剰な恐怖を感じる「恐怖症」、強迫観念にとらわれる「強迫神経症」などがあります。
パニック障害
神経症の病院での一般的な治療
神経症の治療には、症状に応じて抗うつ剤や抗不安薬が処方されるのが一般的です。
「自律訓練法」など、少しずつ不安に慣れていく行動療法などが行われることがあります。
抗うつ薬と抗不安薬の違い
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関連外部リンク
Neurotic Excoriations
American Academy of Family Physicians
Thyroid function screening of psychiatric inpatient admissions:a worthwhile procedure?
Sage Journals
Thyroid Hormones Role in Neuroticism Formation and Aggression Development
iMedPub