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東洋医学の肺 |
肺
肺は気をつかさどります。肺は呼吸をつかさどります。肺は宣発と粛降をつかさどります。肺は水道を調節します。心血の行りを援けます。
肺は気をつかさどり、心を扶けて、臓腑や器官の働きを調節します。肺は、呼吸を通じて、天の陽気(清気)を体内に取り入れます。
肺は皮毛をつかさどり、宗気、衛気、津液を巡らせることにより、皮膚に潤いと防御力を与えます。風邪をひきやすい体質は、肺の宣発がうまくいっていない証。
肺は鼻に開竅し、その液は涕(はな)である。鼻の乾燥や嗅覚の低下は肺の不調を示す。
■肺は「嬌臓(きょうぞう)」:最も繊細な臓
東洋医学では肺を「嬌臓(かよわい臓)」とも呼ぶ。外界と接しているために、**邪気が最も侵入しやすい**。また、感情やストレスの影響をすぐに呼吸に反映する臓でもある。
■「悲しみ」は肺を傷つける
肺は「悲(ひ)」の感情と密接に結びつく。悲しみや喪失感が強いと、呼吸が浅くなり、声も細くなる。逆に、**大きく深く息を吐くことで、悲しみは自然と抜けていく**。
■宣発・粛降は“心の呼吸”でもある
肺の働きは単に空気を出し入れするだけでなく、**気持ちの解放と鎮静**も司る。悩みを話すと胸が楽になるのは、宣発が回復した証。緊張やストレスで声が出にくくなるのは、粛降がうまく働かないサイン。
■皮毛=“心のバリア”でもある
皮毛とは、皮膚そのものだけでなく、「人と自分の間の距離感」も象徴する。皮膚が敏感すぎる、または無神経すぎる人は、**肺と皮毛のバランスが乱れている可能性**がある。
■声と肺の関係:「詰まった言葉」と「響く声」
肺が充実している人の声は深く澄んでいて、聴く人の心に届く。一方、肺気が弱いと、声がこもる・通らない・ため息が多いといった変化が現れる。
■現代人の肺病:呼吸を忘れた社会
スマホ、情報過多、緊張し続ける生活は、**無意識に呼吸を浅くさせる**。これは肺にとって「常時ストレス状態」と同じ。現代病の多くが、実は“肺の呼吸力”の低下から始まっているのかもしれない。

肺の病証
● 肺の宣発と粛降の失調 … 咳、鼻づまり、呼吸困難、気分の抑うつ
● 肺気虚(はいききょ) … 息切れ、話すのが億劫、風邪をひきやすい
● 肺陰虚(はいいんきょ) … 空咳、乾燥感、声枯れ、口渇
■深く呼吸することは、肺を治すだけでなく「感情を整える」第一歩
呼吸が整えば、声が変わり、心が落ち着き、人間関係までスムーズになる。東洋医学の肺とは、まさに「天との橋渡し」であり、「自分の内と外を調和させる鍵」でもある。

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