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胃脘下兪(いかんげゆ) |

英語
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EX-B3
Wei Wan Xia Yu
Internal Stomach Under Softening
奇穴
胃脘下兪(いかんげゆ)
Ikangeyu
取穴部位
第8胸椎(T8)と第9胸椎(T9)の棘突起間(T8–T9間)の高さで、その外側1寸5分(約3cm)の位置。
触診のコツ:
・肩甲骨下角の高さはT7付近なので、そこから1椎下がったあたりがT8。
・その左右に指1.5〜2本分外側へスライドすると、僧帽筋と広背筋の境界の浅い凹みがあり、そこが本穴の触れやすい位置となる。
筋肉
僧帽筋下部線維
広背筋上部
脊柱起立筋(胸最長筋)
運動神経
副神経(僧帽筋)
胸神経後枝
知覚神経
胸神経後枝(T8〜T9)
血管
肋間動脈(T8・T9)
背側枝(脊柱起立筋への栄養動脈)
主治
胃脘痛(みぞおちの痛み)
急・慢性胃炎
嘔吐、悪心
脾胃虚弱(食欲不振・疲れやすい・軟便)
胸脇痛(きをくつう)
季肋部の張り
反酸(胃酸逆流)
脾の運化不良による血糖調節の乱れ(糖尿病の補助療法)
名前の由来
「胃脘(いかん)」とは古典でいう“胃の上口のあたり”を指し、
その**直下=胃脘の下にある兪(気が集まるところ)**という意味で
「胃脘下兪」と名付けられた。
兪(ゆ)とは“気血が集まる・交通する場所”を意味し、
この部位が胃腸の働きと深く関係し、
気滞・湿滞・痰濁などが溜まると硬くなることから、
“胃脘の気の出口を助ける場所”の意を持つ。
古医家は、胃の不調が感情(憂・思)とリンクして背部を固くすることを体感しており、
「思慮過多で胃が弱る者は、まず胃脘下兪をゆるめよ」
と記したと伝わる。
その他重要な事柄(臨床解説)
・本穴は「厥陰(肝)」と「太陰(脾)」の境界にあり、
肝気鬱結による胃脘痛に特に強い。
・背部兪穴の中でも中脘(任脈)〜胃兪(足太陽)との連動が強く、
胃の“降”の機能を助け、
逆流性食道炎・げっぷ・胸焼けに用いると反応が良い。
・糖尿病との関連について:
脾胃の運化失調により水穀精微が生まれない状態を改善するという、
中医学的視点での「代謝機能の調和」を意図した使用が多い(補助的治療)。
・慢性胃炎やストレス胃の患者では、軽い圧でも
ズンと奥に沈むような痛み(胃の反応痛)
が出ることがあり、これは治療ポイントの指標として有効。
・気滞タイプは左右差が出やすく、
左が硬ければ肝鬱、右が硬ければ脾虚が関与しやすいなど、
弁証にも活用できる部位。

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