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患門(かんもん)EX-B11 |






英語
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EX-B11
Huan Men
Gate of Suffering
奇穴
患門(かんもん)
Kanmon
取穴部位
患門は、体表上の固定した骨指標を持たない特殊な奇穴で、
「身体の前後・左右・上下のバランス」を紐で計測して導き出す点である。
そのため、各個人の体型に応じて位置が微妙に変わることが特徴で、古来より
“病の門が現れる処” として用いられた。
取穴方法
①一本目の紐を用意し、患者を直立させる。
足の第1趾先端に紐を当て、足底中央 → 下腿後面正中 → 委中穴へと沿わせ、そこで紐を切る。
この紐を鼻尖に当てて頭頂正中へ通し、後頭部〜背部へ自然に垂らし、その下端が触れる脊柱上に「仮点」を置く。
②別の紐を用意し、患者の口を軽く閉じさせる。
一方の口角 → 鼻中隔下端 → 反対の口角へと斜めに渡して距離を測り、その長さで紐を切る。
この紐の中央を①の仮点に当て、左右に水平に伸ばし、両端に取るのが患門穴である。
※患門は左右一対で、個々の身体比率を反映するため、
「患者固有のバランスの乱れを示す」診断兼治療点としての性質が強い。
筋肉・靭帯
僧帽筋(中部線維)、菱形筋(大・小)
胸椎棘突起周囲の支持靱帯群
運動神経
副神経(僧帽筋)
肩甲背神経
頚神経叢の筋枝
知覚神経
胸神経後枝(T3〜T6付近)
血管
肋間動脈の背側枝
肩甲背動脈の広背筋枝
主治
・慢性の胸部疾患(肺結核・慢性咳嗽・喘鳴)
・心窩部〜胸部の詰まり感、動悸
・情志の抑圧による胸背部の張り(“胸満”)
・肩甲間部の難治性疼痛(特に感情負荷時に悪化するもの)
名前の由来
「患門」とは、文字通り“患(わずらい)の門(入り口)”の意。
病は特定の臓腑だけではなく、身体全体の歪みや左右差から生む「偏り」から始まるという考えのもと、
その偏りがもっとも表れる“門”としてこの部位が使われてきた。
また、測定によって毎回位置が変わるため、
「病が身体にどのような影響を与えているか」を示す動的なポイントとして扱われ、
古来より“診察そのものが取穴につながる”特異な穴とされる。
その他の重要事項
・患門は左右差が臨床的に非常に重要で、呼吸器系の疾患では多くの場合、患側が強く痛む。
・ストレス・怒り・不安など情志の乱れで位置感覚が変わることがあり、“心の状態のバロメーター”としても使われる。
・胸郭の可動制限や深呼吸が苦しい患者では、患門を軽く押圧するだけで胸が開く感覚が得られることが多い。
・特に、肺気の失宣(発散できない状態)+背部の気滞が重なる症例で最も効果を発揮する。

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