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腰痛

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Backpain

執筆者

井出井出 貴之(鍼灸師)プロフィール

腰痛

腰痛、には様々な要因が考えられます。

腰の痛み

ちょっとした体動で急に「痛み」「しびれ」「鈍痛」「運動障害」がある

特になにかした覚えもない

夜寝ているときや朝起きた時に痛みを強く感じる

繰り返し使うことが治りにくい原因だと言われる

激痛は治まらない等

腰痛

腰痛、腰下肢痛の基本的な分類

A.主な腰痛

1.軟部組織性の障害(筋筋膜性腰痛)
 
2.骨関節系の障害 (脊柱管狭窄症、脊椎分離・すべり症、椎間関節症、仙腸関節症)

B.主な腰下肢痛

1.関連痛(筋筋膜性腰痛、椎間関節症、仙腸関節症等を含む)
 
2.末梢神経障害 
①神経根障害(腰椎椎間板ヘルニア、変形性腰椎症)

②絞扼性障害(梨状筋症候群)

3.中枢神経障害(腰椎脊髄症)

C.その他

1.腫瘍 

2.外傷 

3.内臓障害 

4.その他(股関節症など)

腰痛、腰下肢痛の基本的な分類

腰痛の発症要因

日常ストレス・過負荷・骨筋等の弱化など

腰痛の発症要因

腰痛の検査

一般的な整形外科では腰痛、腰下肢痛などの場合レントゲンを撮り画像を参考に治療を進めていきます。

さらに詳しく検査する場合、CT・MRIなどの検査がおこなわれます。

また、内科的な疾患が腰に放散痛として出現している場合も考えられます。

画像検査で異常が認められた場合、ほとんどのケースでは、その異常が腰痛やしびれ等の症状の原因とされてしまいます。

実は、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアが画像診断では認められても、全く症状が無く普通に生活をしている方がたくさんおられるのも事実です。

極度の腰痛で脊柱管狭窄症や脊椎ヘルニアと診断されて手術された方が一時的に痛みが軽減しても、腰痛を繰り返す原因は画像からのみの判断では十分でないことを証明しています。

例えば画像に映っている筋肉が緊張しているか否かは画像のみの判断では大変難しく、もしその一部の筋肉が神経根周辺を圧迫していた場合、いくら手術をして、問題だとしてしまっている構造を再構築しても、痛みはなかなか治まりません。

脊柱管狭窄症やヘルニアが原因で筋緊張しているのだから、それらを改善すればその神経を圧迫している筋緊張が改善されるはずだという意見もあると思いますが、

そもそも、脊柱管狭窄症や、椎間板ヘルニアは交通事故等の急激な外力が加わったものでなければ、ほとんどは筋緊張の末、からだ全体の各関節の可動域等が減少し、結果一部の関節や椎間板等に負荷が生理的範囲をこえて加わったために生じていることがほとんどです。

したがって、神経根を圧迫している部分にアプローチして、その周辺の代謝が低下してしまっている部分に沈着してしまっている乳酸や痛みの原因物質(老廃物)サブスタンスPを自然なかたちで掃除することで、ほとんどの症状は軽減していくことが多いのも事実です。

腰痛の検査

腰痛の一般的な知識

腰痛症

運動時や安静時に腰部に痛みを感じる疾患の総称をいいます。

疾患名というより症状名です。

腰痛の原因としては腰椎、椎間板、椎間関節、靱帯、筋・筋膜の障害が想定されていますが、正確な診断が可能なのは全腰痛患者の半数以下(10%程度という報告もある)です。

そのような場合にとりあえず、腰痛症という病名を付けるのが一般的です。

腰痛の一般的な知識


[腰痛症の成因と病態生理]

腰痛と頸部痛とは人類が2本足で立位をとることに内在する宿命的疾患ともいわれています。

腰痛にっいては、原因として想定されるものは種々さまざまで、まとめると次のようになるのが一般的です。

①退行変性によるもの: 椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など

②骨代謝異常によるもの: 骨粗しょう症や骨軟化症

③外傷によるもの:
腰椎圧迫骨折、横突起骨折、脊椎分離症、すべり症

④炎症によるもの:
筋炎、化膿性脊椎炎、関節リウマチなど

⑤腫瘍によるもの:
骨肉腫、軟部組織肉腫、血管腫

⑥静力学的要因によるもの:
姿勢不良、筋肉疲労

⑦先天性の要因によるもの:
仙椎の腰椎化、腰椎の仙椎化,奇形

腰痛症の成因と病態生理


[腰痛症の症状]

腰痛症は、原則的には下肢症状を伴わない腰部の疼痛ということになっています。

腰痛の発現によって急性、慢性、再発性に分類するのが治療上から便利だといわれています。

①急性腰痛症
疼痛は腰部に限らず、殿部、大腿後面や側面などにも出現することがありますが、原則として下肢神経症状は伴わない。

腰痛は運動により増強され、安静により消失する。


ぎっくり腰

急性腰痛症のなかで、ちょっとした体動で急に発症する腰痛。

場合によっては激痛のため脂汗が出て、歩けなくなるような発作性の腰痛症を俗に「ぎっくり腰」といいます。

その真実の病態は不明ですが、多くの場合は腰椎における椎間関節内への滑膜の陥入であると考えられています。

また、なかには椎間板ヘルニアの初期のこともあれば、何らかの拍子に生じた筋肉、筋膜、靱帯の微小損傷のこともあります。

多くの場合は、安静にしていれば2~3日で激しい痛みは消え去る。

安静や鎮痛薬の使用でも緩解しない腰痛、徐々に進行する腰痛、発熱を伴う腰痛などは、内臓疾患、悪性腫瘍、感染症などを疑うべきで、注意が必要です。


②慢性腰痛症 
慢性に持続する腰痛があっても、はっきりした原因が判明しているものはこのカテゴリーには含まれず、おのおのの疾患としてとらえるべきとされています。

問題は原因がはっきりしない、6カ月以上続くような慢性腰痛症の場合ですが、多くのケースで複合的要因が関与していて単純ではないと考えられています。

繰り返される微小外傷や精神的ストレスなどが影響していることもあるようです。

痛みからくる筋肉の緊張状態や、筋肉の長期疲労から阻血や拘縮を起こしていて、痛みの悪循環から脱しきれない状態となる場合もあります。

また肥満による腰への過重な負担や、背筋や腹筋の未発達状態、不良姿勢などもしばしば関与していることが考えられます。

さらに慢性的な疼痛は、いらいらや、抑うつ状態など、心理的要因まで加重され、器質的障害から想像される以上の痛みを訴えることもあります。

慢性腰痛症 


[腰痛症の診断]

神経学的検査を行ったうえで単純X線撮影や血液検査など基本的な検査はひととおり行うべきとされています。

その結果、あきらかな疾患をみいだしたならば、その疾患に最適な治療法を選択します。

たとえば椎間板ヘルニア、脊椎すべり症、脊柱管狭窄症、リウマチ、感染症、尿管結石症などがみつかることがあるります。

一方、X線撮影やMRIなどで著しい変形性脊椎症や軽度の奇形を発見しても、それが腰痛の原因として意味ある所見なのかどうかは慎重に考えるべきとされています。

腰痛症の診断


[腰痛症の治療]

①安静や軟性コルセットによる固定

②消炎鎮痛薬の内服や外用

③ストレッチングや,水中歩行などの運動

④トリガーポイントへの注射や仙骨裂孔からの硬膜外ブロック注射

腰痛症の治療

からだに優しい考察

いわゆる「ぎっくり腰」の成因は、しばしば腰椎における椎間関節内への滑膜の陥入と考えられています。

したがって骨盤整体やマニピュレーションによってその滑膜の陥入が解除されることで劇的に治ることがあるといわれています。

しかし腰痛にはそれ以外にも多くの原因があるので、一事をもって万事に当てはまると思いこんではならないと考えます。

しっかりと安静を保ってストレスをためず、栄養のバランスを考えた食事をとります。

症状が治まってから、ゆっくりと適度の運動をしていくことが理想です。

普段から、関節や筋肉のストレッチや、正しい姿勢を意識した生活が重要です。

緊張したり、ストレスが溜まっているときは無意識のうちに前かがみになって、呼吸が浅く早くなっていることがよくあります。

姿勢を意識して、骨に乗りながら力を抜く事で、心理的なストレスへの負担も軽減していくきっかけになります。

リラックスできる時間を少しでも意識的に増やしていきましょう。

多くの腰痛は、薬を使わずに、整体や針治療で改善可能です。

からだに優しい考察

腰痛の鍼灸、整体、マッサージ

臨床で使用する経穴の例:

腰の 大腸兪(だいちょうゆ)、腎兪(じんゆ)など。

足の 太衝(たいしょう)など。

その他 命門(めいもん)、志室(ししつ)など。

※市販の「お灸」をする時の参考としても使用できます。

参考文献

参照 臨床医学各論 第2版 第8章 整形外科疾患 p167~p168 医歯薬出版株式会社

→椎間板ヘルニア

←ぎっくり腰

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腰痛 関連外部リンク

Back pain - Symptoms and causes
Mayo Foundation for Medical Education and Research (MFMER).

Common Causes of Back Pain - Types & Treatment
National Institutes of Health

Back pain | Causes, exercises, treatments
Versus Arthritis