うつを起こしやすい薬

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Drugs that are prone to depression
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うつを起こしやすい薬
「薬がうつを引き起こす?」そう聞くと驚かれるかもしれませんが、実際に薬の副作用として“うつ状態”が起きることは少なくありません。以下に、特に注意が必要な薬とその理由を解説します。
- 降圧薬(高血圧治療薬)
β遮断薬などは脳のノルアドレナリン系に影響し、気分の低下や無気力を引き起こすことがあります。特に中高年の男性に多く報告されています。 - 副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)
ステロイドは脳内ホルモンのバランスを乱し、気分の上下が激しくなることがあります。長期使用で“ステロイドうつ”を発症することも。 - 避妊薬(ピル)
ホルモンバランスを人工的にコントロールするため、感情の起伏が強くなったり、抑うつ感が現れることがあります。感情の波がある方は慎重に使用を検討すべきです。 - 潰瘍治療剤(H2ブロッカー・PPI)
胃薬の中にはビタミンB12の吸収を妨げ、神経系の不調やうつ症状につながるものがあります。 - 抗パーキンソン薬
ドーパミンの作用を調整する薬は、気分にも大きく影響します。脳内報酬系のバランスが崩れ、抑うつ状態になることがあります。 - 抗結核薬
イソニアジドなどは脳内の神経伝達物質に影響し、うつ様症状を誘発することがあります。長期治療になるため、注意が必要です。 - 抗がん剤
身体へのダメージに加え、神経伝達物質のバランスが崩れることから、精神的な落ち込みや絶望感が強くなるケースがあります。 - 鎮痛剤
特にオピオイド系の鎮痛薬は依存性が高く、使用後に反動的なうつ状態を引き起こすことがあります。また慢性使用による感情の平坦化も問題です。 - 抗精神病薬
統合失調症などに使われる薬は、過剰なドーパミン遮断により感情の動きが乏しくなり、「何も感じない」と訴える人も多く見られます。 - 抗ヒスタミン剤
眠気を誘う作用があるため、長期的に使用すると脳の覚醒機能が低下し、無気力やうつ状態につながることがあります。 - 免疫調整剤・インターフェロン
これらの薬は体内の免疫応答だけでなく、脳内の炎症にも影響するため、うつ状態を誘発するリスクがあります。
中医学の視点からでは、これらの薬は「気血の巡りを阻害し、肝・心・腎の働きを低下させる」ことで精神的なバランスを崩すと考えます。
例えば、ステロイドは「腎精を消耗させ」、ピルは「肝気鬱結」を招きやすいものとされ、結果として「心神不安」や「鬱証」を引き起こすのです。
私たちは「症状を抑えるために飲んだ薬」で、かえって心身のバランスを壊してしまうことがあるという事実を知る必要があります。薬を全否定する必要はありませんが、本来の自然治癒力を取り戻す道に目を向けることが、真の回復への鍵かもしれません。

備考
上記の薬剤は一般的にうつを引き起こす場合があることがいわれています。
必ずうつが起きるわけではありません。
上記の薬剤以外にもうつを引き起こす場合がある薬剤は多数あります。
参考文献
うつは薬では治らない 文春新書 上野玲 著
文藝春秋 東京 2010
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関連外部リンク
General Medical Drugs Associated with Depression - PMC
National Library of Medicine
Drugs That Cause Depression
WebMD LLC, an Internet Brands company.
10 Types of Medications That Can Make You Feel Depressed
AARP