変形性股関節症

英語

Osteoarthritis of the hip
Hip Osteoarthritis
Hip pain

股関節痛

股関節の痛みの原因に変形性股関節症と言われるものがあります。

変形性股関節症とは・・・

長年の使用や繰り返される負担、怪我などによって関節の軟骨がすり減ったり、骨の変形が生じる病気です。

Ａ：一時性変形性股関節症
原因となる外傷や股関節の器質的な異常がない原因不明の場合。老化やその他の原因により負荷に耐えられなくなり発症すると考えられています。

Ｂ：二次性変形性股関節症
生まれつき股関節の骨盤側の形が小さい臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)、発育性股関節脱臼(はついくせいこかんせつだっきゅう)・大腿骨頭(だいたいこつとう)すべり症・ペルテス病といった小児の股関節の病気、骨折や脱臼などの外傷、痛風(つうふう)や化膿性関節炎(かのうせいかんせつえん)などの炎症、その他の原因によって生じるものがあります。

日本では80％以上を占めると言われています。

変形性股関節症の症状

初めは運動後や長く歩いた後などに、股関節に限らずお尻や太もも、ひざの上などに鈍痛が出ることが多く、この痛みは数日すると治まります。

少し症状が進むと、動き出すときに股関節辺りに痛みを感じる「始動時痛」を感じるようになります。痛む箇所は次第に股関節周りに限定されていきます。

さらに進むと動かしたり歩くと股関節の前後が痛む、一休みしないと歩けない、などの痛み「運動痛」が出るようになります。

痛みが強くなるのにつれて、靴下が履きにくくなったり大きな段差が上りにくくなったりと、股関節の動きも悪くなってきます。

痛みから関節を動かさずにいると筋肉が硬くなり動きが悪くなる「関節拘縮（かんせつこうしゅく）」が起こり、深く曲げたり足を開くなどが苦痛になってきます。また、拘縮がひどくなると骨盤が傾いて悪い方の足が短くなったように感じられるようになります。

痛い方の足をかばって歩こうとしたり、また痛みのために活動量が減って中殿筋などの筋力が衰えると悪い方の足をついたときに身体が傾くため、肩を揺らして足を引きずるような歩き方「跛行(はこう)」になります。

検査

腰痛と同様、余りにも痛みがひどい、歩行が困難な場合などは事前にＣＴ・ＭＲＩなどの検査を受けることをおすすめします。

からだに優しい考察

Ａ：カイロプラクティック的考察
日常生活における姿勢や運動の負担により、股関節自身に歪みが生じている場合は股関節の位置を元の状態に戻しておく必要があります。

歪んでいる状態で使用し続ける事により症状が悪化し、他の症状（腰痛や膝痛など）を誘発する事があります。

また股関節に痛みが出ている場合でも股関節自身の形状などには問題はなく、脊柱や骨盤の歪みにより、神経の伝達や血液の流れが悪くなり、本来の筋肉・関節の力を発揮できない状態がおこり、股関節付近の筋肉・靭帯・軟部組織などに過度なストレスが加わり痛みを誘発している可能性があります。

その場合、股関節をどれだけ治療しても根本的な治療にはならないでしょう。

股関節自身のアライメントや付近の筋肉・組織を整えていくのと同時に、脊柱や骨盤を整え股関節に対する過度な負担を減らしていくことで痛みを軽減させていく事が望ましいでしょう。

また、痛みを再発させないためにはもう一度普段の姿勢や環境などを見直し、必要な筋力をつけることをおすすめします。筋力トレーニングはスポーツをする人だけのものではありませんよ～。

Ｂ：鍼灸的考察
鍼灸を用いて治療する場合、主に股関節付近の筋肉に対し鍼を刺し、そこに軽い電気を流す事で硬くなって動きにくくなっていた筋肉を動かし、同時に股関節付近の血流を促進させます。

それには灸を用いる場合もあります。

また、東洋医学的考えから、経絡・経筋に対する治療を行うため、痛みが出ている筋肉に関する経穴（ツボ）に鍼を刺し治療していく方法もとります。

股関節付近の筋肉は層になり重なっていますので、鍼を用いることで痛みの原因になっている奥の筋肉にも直接アプローチできるためより良い効果が期待できると思います。

股関節痛に用いる代表的なツボ・・・環跳・五枢・維道など

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