肺がんの抗がん剤治療
Lung cancer anticancer drug treatment
もくじ
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抗がん剤治療とは
抗がん剤治療とは、抗がん剤を使って顔の増殖を抑える化学療法です。
手術や放射線治療が、がん細胞に対する局所治療であるのに対し、抗がん剤治療は全身的な治療といえます。
抗がん剤治療には、手術や放射線では対応できない範囲のがん細胞に対する治療や、がんの再発予防を目的とした治療があります。
抗がん剤の副作用
抗がん剤はがん細胞を含む細胞分裂が活発な細胞に作用しやすい薬です。
このため、がん細胞以外でも細胞分裂が活発な場所に作用してしまうことがあります。
細胞分裂が活発な細胞には、①胃腸の粘膜細胞、 ②血液を作る骨髄細胞、③髪の毛を作る毛髪細胞、などがあります。
抗がん剤治療が始まると、数日以内に、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、便秘、口内炎などの症状が出始めます。
その後血液を作る骨髄が影響を受けて、白血球、赤血球、血小板の数が減少していきます。
肝機能、腎機能、心機能が低下することもあります。
数週間後、髪の毛が抜ける人が出てきます。
神経症状として手足がしびれたり耳鳴りがするなどの症状が現れる場合もあります。
これらの副作用は、命に関わる場合や、治療後も後遺症として残る場合があります。
癌の手術による死亡率は約1%程度、
抗がん剤によって起こる死亡率は約5%弱であるといわれています。
抗がん剤はがん細胞だけでなく、健康な細胞も攻撃するので、体力を消耗します。
以下 抗がん剤のその他の副作用
感染症、血管外露出による皮膚炎、口内炎、不整脈、貧血、色素沈着など
術後補助化学療法
手術治療で癌を取り除くことができたと思っていても、ごくわずかに転移をしていたり、検査では見つけにくい場所に小さながんが残っていることがあります。
癌が残っていると、増殖して再発や転移を起こす可能性が高まるので、手術の後に抗がん剤を使って行う化学療法のことを術後補助化学療法といいます。
術後補助化学療法を使った時、5年生存率は5%から10%程度上昇すると言われています。
術前化学療法
術前の抗がん剤治療は、手術を行う前に抗がん剤によって癌を縮小させて手術の効果を上げることが目的です。
抗がん剤治療と併用して放射線治療を術前に行うこともあります。
術前化学療法と術前放射線療法は標準治療として勧められる科学的根拠が明確でないとされています。
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参考文献
がん化学療法レジメンハンドブック
日本臨床腫瘍薬学会 (監修)
羊土社; 改訂第6版 2019
肺がんの抗がん剤治療 関連リンク
化学療法(抗がん剤)の役割
アストラゼネカ株式会社
Drugs Approved for Lung Cancer
NCI
Chemotherapy for Non-Small Cell Lung Cancer
American Cancer Society, Inc.