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アトピーとアレルギー

アトピーとアレルギー

もくじ

・アトピーとアレルギー

・アトピーと免疫機構

・食物アレルギー

・子どものアレルギー性鼻炎

・アレルギーの対処と自律神経

執筆者

井出井出 貴之(鍼灸師)プロフィール

アトピーとアレルギー

アトピー性皮膚炎はアレルギー体質が深く関与しているといわれています。

アレルギーは免疫が過剰に働いてしまう状態といわれています。

免疫とは本来、身体が有害なウイルスなどに抵抗して病気を癒す能力です。

異物が体内に侵入してきた時にこれを識別して排除しようとする仕組みです。

アレルギー体質の人は、ハウスダストやダニ、花粉など害の少ない物も異物としてとらえてしまう傾向が強いといわれています。

アトピーとアレルギー

アトピーと免疫機構

免疫を担う白血球には大きく分けて顆粒球(かりゅうきゅう)とリンパ球があります。

最近の免疫学の研究ではアレルギーの要因とされる過剰なリンパ球は副交感神経優位によって増加する傾向があることがわかってきています。

アレルギーは副交感神経優位の素因に代謝の不健全が加わり、処理能力を超えた必要以上の栄養分や、不自然な生活習慣によりひきおこされているといえるでしょう。


アトピーと不自然な生活習慣


体内に取り入れられた食べ物は、消化酵素により異種タンパクとなります。

このタンパクは本来必要な分だけ体に吸収されて、あとは排泄されます。

しかし、肉体的・精神的ストレスにより生体の交感神経を過剰に反応させて胃腸の働きが低下すると、異種タンパクなどがうまく処理しきれなくなります。

その結果、本来害の少ないようなものまでも、過剰なリンパ球により、排除しようとすることになります。

この一連の流れが、アトピー性皮膚炎の素因にあるといわれています。。
 
つまり、アトピー性皮膚炎を根本から改善しようとするならば、この交感神経と副交感神経のバランスに着目することが大切です。

自律神経の健全化が必要です。

アトピーと免疫機構

食物アレルギー

食物アレルギーとは、特定の食品を食べたり飲んだりすることによって起こるアレルギー反応です。


体内に入った食品を体が異物と見なし、排除しようとして免疫システムが働くために起こるものです。

アレルギーのひきがねとなるものを食べた後、かゆみを伴う湿疹やじんましん、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢といったアレルギー症状が現れます。


口腔内のかゆみ、鼻水、喘息、めまい、など現れる症状はさまざまです。

反応が出るまでの時間もそれぞれ違い、食べた直後に症状が出る即時型、半日から数日後に起きる遅延型にわけられます。


原因はわかっていません。


アレルゲンも真の原因とはいえません。


まれにアナフィラキシーと呼ばれる激しいアレルギー症状を食べた直後に起こすこともあるので、注意が必要です。



食物アレルギーが多いのは、0~3才児です。

腸管や消化機能が未発達で、食べたものが十分に消化されずに吸収されるためではないかと考えられています。

どのような食材でも人によってはアレルゲンとなる可能性があります。

三大アレルゲンといわれているのは卵・牛乳・小麦でこれらが大半です。


一般的な小児科などでの治療は、アレルゲンとなる食品を食べないようにする除去食療法が基本です。

除去食療法には、その食品がわずかでも含まれる食品を食べない完全除去と、少量なら食べてもいい不完全除去の2種類があります。


除去する食品の種類が多いときや、完全な除去食療法を行うのが難しい場合などには、補助的な治療として抗アレルギー薬が処方されることもあります。


食物アレルギー自体を治す特効薬ではなく、あくまでも一時的に症状をおさえるだけのものです。

一時的に症状をおさえる代わりに、必ず何らかの副作用が身体に生じます。


成長途上の子どもの体にとって、バランスよく栄養をとることはとても大切です。


アレルゲンが疑われる食品があっても、むやみに食品を制限することは好ましくないといった意見もあります。

食物アレルギー

子どものアレルギー性鼻炎

アレルギー反応によって鼻の粘膜で炎症が起き、鼻水や鼻のかゆみ、鼻詰まりなどが見られます。

透明で水のようにサラサラした鼻水が続いたり、くしゃみが出たり、鼻が詰まったりします。

鼻詰まりがひどいと呼吸しにくくなってきげんが悪くなったり、息苦しさのためによく眠れなくなることもあります。

かぜの症状とよく似ていますが、アレルギー性鼻炎では、鼻水や鼻詰まり以外の症状が見られないこと、短期間では治らないことなどが違います。

また、季節の変わり目に発病することが多く、朝や夕方など温度差がある時間帯に悪化しがちなことも特徴です。

アレルゲンは、ダニやハウスダストといわれています。

ほかにもペットの毛やフケ、花粉などがあげられています。

アレルゲンはアレルギー性鼻炎の根本的な原因ではなく、症状を引き起こす一要因と考えられています。

2才以下には比較的少なく、3才以降からみられることがおおいようです。

一般的な小児科の治療としては、赤ちゃんの場合、アレルギー性かどうかを確認するのは難しく、はっきりと診断がつけられるのは2才過ぎからになりますが、アレルギーの疑いがある場合は、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の飲み薬や点鼻薬が処方されるでしょう。

アレルギー性鼻炎そのものを治す特効薬ではありません。

子どものアレルギー性鼻炎

アレルギーの対処と自律神経

アレルギーの対処法として、アレルゲンになるような花粉やハウスダストなどをしっかり掃除することがいわれています。

しかし、掃除や除菌を徹底的にする過剰な行為そのものが交感神経を優位に働かせすぎることで逆効果になってしまうばあいもあるでしょう。

成長期の子供にとって、多少のホコリや細菌は免疫機能を健全に発育させるうえで必要不可欠です。

無菌室で育った子供は顆粒球が少なく、リンパ球過剰となり必要なタンパクに対し過剰な免疫反応を起こしてしまう傾向があるのです。

つまり、掃除やマスクで防御しすぎても、逆にアレルギー体質をつくってしまうことがあるということになります。

アトピー アレルギーの対処と自律神経

アトピーとアレルギーの鍼灸、整体、マッサージ

臨床で使用する経穴の例:

足裏では湧泉(ゆうせん)など。

胸の中府(ちゅうふ)、膻中(だんちゅう)など。

合谷(ごうこく)など。

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参考文献

病態と治療戦略がみえる 免疫・アレルギー疾患イラストレイテッド
田中 良哉 (著)
羊土社
2013/9/18 発売

関連外部リンク

Atopy Defined
American Academy of Allergy, Asthma & Immunology.

Atopy
ScienceDirect®

Allergic and nonallergic forms of atopic diseases
Journal of Allergy and Clinical Immunology