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経絡・経穴(ツボ)

志室(ししつ)

志室は、“自分の道”を忘れた人の再出発地点

あなたの中には、まだ灯りがある。

たとえ今、人生に意味が見えなくても。

志室を温めるとき、それは再び燃え始める。

志とは、あなたの魂が決めた進むべき道。

それを宿す部屋が、今ここにある。

英語
Bladder(BL)52
Zhi Shi(Will Chamber)

志室(ししつ)

足の太陽膀胱経52
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang

志室
ししつ
shishitsu

取穴部位
第2・第3腰椎棘突起間の外3寸。
腎兪の外方、肓門の下方、腰背部の力点であり、心身の「芯」を司る領域。

筋肉
広背筋、腰方形筋、脊柱起立筋群(最長筋、多裂筋)

運動神経
胸背神経、腰神経叢の筋枝

知覚神経
腰神経後枝(L2-L3)

血管
腰動脈、腰静脈叢

足の太陽膀胱経

主治
・腎虚による腰痛、冷え、倦怠感
・性的機能の低下(性欲減退、インポテンツ、無精子症)
・下肢のだるさ、膝の力抜け、虚弱体質の改善
・慢性的な「心の消耗」による意欲低下、うつ傾向
・加齢にともなう精力の減退、夜間頻尿、骨の脆弱化

名前の由来(独自解釈)
「志」は精神の方向性・意志・魂の目標。
「室」は“蔵”を意味し、内密な空間・隠された根源。
つまり志室とは、「志(こころざし)の宿る部屋」、すなわち**人が生きる上での“原動力の源”**を指す。

古代中国において、志とは天命と対応しており、「志室」はその天命を貯蔵する“精神的な炉”でもある。

中医学的意義
・腎は「志を蔵す」とされ、肝が「魂」を、心が「神」を蔵するように、腎は生命の意志=“生きる意味”を内包する。
・志室は、腎の精が精神化したもの(=志)を蓄える場であり、そこが枯れると人は目標を失い、自己否定的になる。
・よって志室の虚は「夢が描けない」「やる気が出ない」「なぜ生きてるかわからない」といった症状として表れる。

精神的象徴(オリジナル解釈)
・志室は、**“人生における羅針盤”を守る場所**。
・外的プレッシャーや過度な順応により、自分の本当の願い(志)を見失ったとき、志室は機能を失い、沈黙する。
・このツボに意識を向けることは、**「本来の自分に立ち返る時間」を作る行為**であり、精神の脱構築と再構築の起点となる。

臨床応用
・「心が動かない」「未来が描けない」:志室 + 肓門 + 神門 + 気海
・更年期の不安・イライラ・性欲減退:志室 + 三陰交 + 命門 + 太渓
・うつ状態や自暴自棄:志室 + 百会 + 太衝 + 中脘 + 陰陵泉
・慢性疲労・腎虚体質の改善:志室 + 腎兪 + 関元 + 足三里
・不妊治療:志室 + 子宮 + 三陰交 + 中極 + 太渓

セルフケアのヒント
・腰に手を当てて、志室のあたりに深くゆっくりと呼吸を送り込むことで、「志に還る」スイッチが入る。
・夜、静かな場所で、背中から自分を抱きしめるように意識を向けると、「何のために生きたいか」がふと浮かぶことがある。
・熱感灸や温熱シートを使ってこの部位を温めるのも効果的。

補足:関連経穴とのつながり
・腎兪:腎そのものへのアプローチ(エネルギーの本体)
・志室:腎の志=精神的エネルギーへのアプローチ(方向性)
・肓門:心と腎をつなぎ、命の流れを通す門(接続点)
・命門:精火を燃やすエンジン(駆動力)

→胞肓(ほうこう)

←肓門(こうもん)

→足の少陰腎経

←手の太陽小腸経

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