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経絡・経穴(ツボ)

手三里(てのさんり)

手三里は、「現代社会の詰まり」をほぐす象徴的なツボでもあります。

英語
Large Intestine(LI)10
Shou San Li(Arm Three Li)

手三里(てのさんり)

手の陽明大腸経10
The Large Intestine Meridian of Hand-Yangming

手三里
てのさんり
tenosannri

取穴部位
前腕後橈側、曲池穴から下2寸の位置。長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋の間にあり、前腕を回外して軽く握りこぶしを作ると筋の間にくぼみが浮かび上がる。

筋肉
長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋

運動神経
橈骨神経

知覚神経
外側前腕皮神経

血管
橈骨動脈

手の陽明大腸経

主治(伝統的な効能)
・腕や肘の痛み、動かしづらさ、こわばり
・歯痛(特に下顎)や顔面の炎症
・消化器不調(胃痛、腹部膨満、便秘など)
・下痢と便秘の交互、過敏性腸症候群的症状
・倦怠感、気力低下、集中力の欠如
・冷えと熱の交錯する体質の調整

名前の由来(オリジナル解釈)
「手三里」の「三里」は、本来「足三里」に対応する概念で、**手の経絡における“気力充実”の調整点**を意味する。「三」は陰陽五行における「成長」「調和」の数字でもあり、腕におけるこの位置が**気血の発動点**であることを示している。「手三里」は、**心身の“始動”を促すスイッチのような存在**と考えられる。

全身への影響と経絡の特性
大腸経は顔面と消化器の両方をつなぐユニークな経絡。手三里を刺激することで、**腕の疲労を取るだけでなく、顔のむくみ、鼻づまり、口内炎**など、上半身の様々な症状にも波及効果がある。
また、大腸の排出機能と精神的な“溜め込み”傾向は密接に関係しており、**感情のデトックス**としてもこのツボは活用される。

精神面への作用
過度なプレッシャーで自分を抑えがちな人、感情を表に出せず**イライラが溜まりやすい人**にとって、手三里は「緩める・吐き出す」ための解放ポイントである。
怒りや悲しみを無意識に抱えたままの状態では、消化器や顔面、肩腕にサインが現れやすく、それらをケアすることで**心身の浄化が進む。**

現代的な応用
・PC作業・スマホによる前腕のこわばり、慢性疲労
・マスク生活で起こる顔の緊張、顔面の熱感や倦怠感
・「頭ばかり使いすぎて、体の感覚が鈍っている」状態
・ストレス性の便秘・過食・胃もたれなど、**気の停滞と湿熱の両方が絡む症状**

セルフケアの方法
息を吐きながら、反対の親指で手三里を押す。3〜5秒を1セットとして5〜10回繰り返す。
また、指圧だけでなく、**蒸しタオルで温める**ことでもよい反応が得られる。

手三里と足三里のセット活用
手三里が「上(胸・頭・腕)」を整え、足三里が「下(胃・腸・脚)」を整える。**天地の気を調和させる組穴**として、古来より併用されてきた。
現代人は「下虚上実」(下半身が弱く、頭に気が上がりすぎている)傾向があるため、この2つのツボをセットで活用することで、**エネルギーの循環と安定感が生まれる。**

注意点
炎症の強い症状がある場合、過度の刺激は逆効果になることがあるため、**穏やかな刺激から始め、体調の変化を見ながら使うこと。**また、妊娠中の使用は専門家に相談のこと。

→曲池(きょくち)

←上廉(じょうれん)

→足の陽明胃経

←手の太陰肺経

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