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経絡・経穴(ツボ)

天鼎(てんてい)

天鼎は、単なる喉のツボではなく、「言葉にならなかった想い」を受け止める霊的・心理的な地点としてとらえることで、現代人の精神ケアにも役立つ治療につながります。

英語
Large Intestine(LI)17
Tian Ding(Celestial Tripod)

天鼎(てんてい)

手の陽明大腸経17
The Large Intestine Meridian of Hand-Yangming

天鼎
てんてい
Tentei

取穴部位
扶突穴の後下方1寸。胸鎖乳突筋の後縁に位置し、首をわずかに回旋させると筋が浮き出て触れやすくなる。
臨床では頸部リンパの反応点としても知られる。

筋肉
広頚筋、胸鎖乳突筋(浅層・深層)

運動神経
顔面神経(広頚筋)、副神経(胸鎖乳突筋)、頚神経叢筋枝

知覚神経
鎖骨上神経、浅頸神経叢枝

血管
上行頚動脈、浅頚動脈

手の陽明大腸経

主治(古典と現代の融合)
・喉の痛み、腫れ、違和感
・慢性の咳、声枯れ、喘息発作の予兆
・頸部のリンパ節腫脹や圧痛
・首の張りや緊張、肩こりに連動する不快感
・緊張性頭痛やストレス性の嚥下障害の補助治療

名前の由来(オリジナル解釈)
「天」は高く崇高なるもの、「鼎」は古代中国で神前の儀式に用いられた三本脚の大釜。
天鼎とは、**「天の意志を受ける祭壇の器」**を意味し、このツボが**「心と喉の間にある“精神の受容器”」**として働くことを象徴していると捉えられる。
天の声(本心)が下りてくる通路であり、それを言葉や行動に変える前の“純粋な受信点”。

経絡的視点と象徴性
大腸経が首に達する終盤であり、**頭と体をつなぐ気血の転換点**。
ここでの詰まりは、言葉にできない感情、喉の詰まり、胸の息苦しさとして現れやすい。
**「内にある声を、まだ言葉にできない人」**の多くが、無意識にこの付近を触れていることがある。

心理・精神的な応用
・「言いたいけど言えない」「主張ができない」といった心理状態に反応が出やすい。
・喉の閉塞感、胸のつかえ感、吐き出せない感情など、**“表現の通り道”をふさぐ感覚**に対し有効。
・天鼎は**「我慢の痕跡が浮かび上がる場所」**とも言え、ここをケアすることで抑圧が少しずつほどける。

現代的な活用
・マスク生活や会話不足により、喉周辺のエネルギーが滞る人が増えている。
・PC作業やスマホ操作で前傾姿勢が長くなると、このあたりの筋が慢性的に緊張しやすい。
・呼吸が浅い、首の前面が張る、無意識の食いしばりがある人に効果的。

セルフケアアプローチ
・胸鎖乳突筋の後縁にあるくぼみを軽く押しながら、ゆっくりと深呼吸を繰り返す。
・「声にならない声を聴く」ような意識で、自分の内側に静かに耳を傾ける時間をつくる。
・詩を書く、歌う、つぶやくなど、**喉を使って自己表現する準備としてのセルフタッチ**にも応用できる。

補足:天鼎を活かす場面
・感情を抑圧し続けている人の心身解放サポートに
・言いたいことを胸に抱えたまま生きてきた人の体をほぐす鍵に
・「私は何を感じているのか?」を思い出したいとき

注意点
・頸動脈の走行に近いため、強い押圧は禁忌。
・動脈硬化、高血圧、心疾患既往のある人には慎重に扱うこと。
・施術中に息苦しさや動悸を訴える場合は即中止する。

→扶突(ふとつ)

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→足の陽明胃経

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