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筋縮(きんしゅく) |

英語
Governor Vessel(GV)8
Jin Suo(Sinew Contraction)
筋縮(きんしゅく)
奇経 督脈8
The Du Meridian (Dumaixue)
筋縮
きんしゅく
kinshuku
取穴部位
第9・第10胸椎棘突起間、正中線上
背中の中部、やや胃の裏側にあたるエリア。緊張の蓄積点ともなる部位。
筋肉
棘上靭帯、棘間靭帯、脊柱起立筋(特に最長筋・回旋筋)
運動神経
胸神経後枝(T9〜T10)
知覚神経
胸神経後枝
血管
第9・第10肋間動脈背枝
主治
- 筋肉の硬縮、拘縮、こわばり
- 背中〜腰の重だるさ、ぎっくり腰予備群
- 胃痛、胃の冷え、食欲不振
- ストレス由来の身体的緊張感
- 怒りや焦燥による筋緊張(特に背中に表出するもの)
名前の由来(オリジナル解釈)
「筋縮(きんしゅく)」は、単に“筋肉が縮まる”という状態を表すものではない。 中医学的に見ると、「筋」は肝に属し、「縮」は気血が巡らず、冷えや痰濁で塞がれた状態を意味する。 つまりこのツボは、「情志の停滞や冷えが原因となって現れる“縮こまり”」に対して作用する。 体だけでなく、心まで「萎縮」してしまうとき、人はこのツボに痛みや硬直を生じやすい。
中医学的意義
- 肝の疏泄失調に由来する筋緊張を緩める
- 胃脘の冷えや気の停滞を解消
- 中焦の気血循環を調えることで、上半身への「昇りすぎた気」を下ろす
象徴的な意味
- 「縮む筋肉」は、心が防御・緊張しているサイン
- このツボは「自分を許せず固くなった心身」をゆるめる要所
- 過度な責任感や恐れに反応して、背中の筋が緊張するタイプに特に有効
施術のヒント
- 慢性的な背中の緊張を訴える人は、筋縮の硬結が深層に隠れていることが多い
- 坐位で前屈させながら刺鍼すると、深い筋層まで届きやすい
- 胃腸に表出しないタイプのストレスも、筋縮に反応として現れる
セルフケア・意識法
- 背中がこわばったとき、筋縮に温灸をすると全身の気がゆるみやすくなる
- 「もっと楽に構えていい」と自分に声をかけながら、このツボを撫でるとよい
- 不安で体を縮めたくなるような時は、背筋をのばし、筋縮に意識を集めると中心が整いやすい
補足:緊張の核心を溶かす“背中の鍵穴”
筋縮は、名のとおり“縮こまった心身”に作用する。 だが本質は、「筋が縮むこと」ではなく、「自らを解放できなくなった人が無意識に固めている場所」にある。 ここに優しく手を当てることは、「自分に戻る許可を与える」ことに他ならない。 施術者にとって、筋縮は“身体と心をほぐす合鍵”である。

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