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然谷(ねんこく) |

然谷 ——「冷たい水の底に、灯り続ける命の火」
静かな谷底で、
あなたの本当の熱は、まだ静かに燃えている。
それを知っているのは、然谷だけかもしれない。
英語
Kidney(KI)2
Rangu(Blazing Valley)
然谷(ねんこく)(榮火穴)
足の少陰腎経2
The Kidney Meridian of Foot-Shaoyin
然谷
ねんこく
nenkoku
取穴部位
内果(内くるぶし)の前下方で、舟状骨粗面の直下に取る。
足を軽く内返しにすると、くぼみがより明瞭に現れる。
筋肉
下伸筋支帯、母趾外転筋、後脛骨筋腱
運動神経
内側足底神経、脛骨神経
知覚神経
内側足底神経
血管
内側足底動脈

主治(臨床応用)
・のぼせ、顔面紅潮、ほてり、不眠、イライラなど「虚熱症状」
・喉の渇き、口内炎、乾燥感、舌の痛み、陰虚火旺
・膀胱炎、排尿困難、頻尿、外陰部の熱感
・月経不順、更年期障害、性的疲労感
・精神不安、焦燥感、情緒不安定(腎陰虚+心火亢進)
名前の由来(オリジナル解釈)
「然谷(ねんこく)」の“然”は「火が燃える様」、「自然の然」、
“谷”は「くぼみ・流れ・内側に向かう地形」を指す。
つまり、「内なる谷底で静かに燃える火のような気=腎の火」が、
**この場所に潜むことを象徴**している。
▶ 『水の中にある火』。それが“腎の命火”であり、
然谷はその火が一瞬外に顔を出す「熱の入り口」である。
五行分類と象徴性
榮火穴 —— 五行では「火」に属す。
腎=水の経にある“火”のツボという矛盾が逆に意義深い。
▶ 水中の火(命火)=生命力、性的エネルギー、意志、創造の火
▶ この火が過剰になると「焦り・不眠・陰虚火旺」の状態になる
▶ 逆に火が弱ければ「無気力・冷え・腎陽虚」となる
然谷は、**火のバランスを測る“魂の温度計”**のような役割を担う。
象徴的イメージ(オリジナル比喩)
・“谷の奥で燃える見えない焔”
・“冷たい泉の底で灯るひと粒の灯火”
・“静けさの中に息づく野生のちから”
強く揉めば火を煽り、軽く温めれば火を整える。
精神が過剰に外に向いているとき、
このツボに触れることで“内なる灯火”に立ち返ることができる。
臨床での活用(実践ポイント)
・“涌泉”との併用:
→ 涌泉で「気を動かし」、然谷で「熱をさばく」
・眠れない夜、足裏を温かくしても落ち着かないときは、
然谷に熱感がこもっていることがある。
→ 軽く冷湿布や指圧で「余熱を抜く」ように刺激する
・更年期障害やストレス性のほてり・イライラに、
→ 柔らかく包み込むような施灸や温熱が効果的
精神・魂との関係
腎に宿る「精」と「志」が揺らいでいるとき、
然谷に“熱の乱れ”として現れることがある。
▶ 「怒り」「焦り」「無理に自分を奮い立たせようとする状態」
→ 然谷に軽く触れるだけでも、熱が胸から下に戻る感覚を覚えることがある。
補足:養生としての使い方
・足湯をしながら、親指で軽く然谷を撫でるように刺激する
・火照りを感じるときは「温めるより抜く」ことが重要
・陰陽バランスの崩れを感じたとき、
このツボを鏡のように使って自分を整えることができる
▶ **然谷は「内に宿る熱を見つめる場所」。自分の“今の状態”が映し出されるツボでもある。**
→太溪(たいけい)
←涌泉(ゆうせん)
→手の厥陰心包経
←足の太陽膀胱経
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