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経絡・経穴(ツボ)

中注(ちゅうちゅう)

中注 — 「命の気が、ふたたび中心に戻る場所」

忘れていた自分の“芯”に、そっと気を注ぐ。

それは、再び歩き出すための最初の一呼吸。

そして中注は、その一呼吸のための“場”である。

英語

Kidney(KI)15
Zhongzhu(Central Flow)

中注(ちゅうちゅう)

足の少陰腎経15
The Kidney Meridian of Foot-Shaoyin

中注
ちゅうちゅう
chuchu

取穴部位
任脈の陰交穴(臍下1寸)の外方5分に位置。肓兪穴の下1寸、腹直筋の外縁に沿って取穴する。仰臥位で腹部を軽く弛緩させ、左右対称に圧痛や陥凹部を確認する。特に腹直筋の緊張との境界線がヒントになる。

筋肉
腹直筋

運動神経
肋間神経

知覚神経
肋間神経前皮枝

血管
浅腹壁動脈、下腹壁動脈

足の少陰腎経

主治(臨床応用)
・下腹部の冷え、腹痛、虚寒性の月経不順や帯下
・泌尿器系の不調(排尿困難、頻尿、残尿感など)
・消化機能低下(特に食後の腹部膨満感や脘腹冷痛)
・下焦に気が滞ることによる精神的落ち込み、無力感
・腎陽虚による冷え性・倦怠感の補助治療点

▶ **「腹の中心に静かに注がれる気」——中注は、内なる命の火を点す起点である。**

名前の由来(オリジナル解釈)
「中注」とは、
▶「中」は“中焦”や“身体の核心部”を指し、
▶「注」は“注ぐ”、“流し込む”、“集まる”という意味を持つ。

つまりこの穴は、**“命の気が下焦に静かに注ぎ込まれる場”**を意味し、
下腹部で気血をめぐらせる要としての働きがある。

象徴的な意味・経絡的意義
・足の少陰腎経が「腎から命門を通り、腹部へ流れ出す」重要な通過点である
・中注は、**“腎気の上昇と下降のバランスを整える調整弁”**として作用
・また、**「中(内)」に「注(そそ)ぐ」ことから、自己への内省や再生の気づきを導く経穴**でもある

▶ **魂が疲れたとき、中注を温めよ。静かに、自分の中心へと気が戻ってくる。**

詩的・感情的イメージ
・「静けさの中に注がれる、ひとしずくの熱」
・「空っぽになった腹に、あたたかい灯りが差し込む」
・「沈黙を破るのではなく、沈黙に気を注ぐ」

▶ **中注は“回復の起点”であり、“内なる再起動スイッチ”とも言える。**

臨床応用のヒント
・虚弱体質、産後の体力低下、更年期の冷えや落ち込みに適応
・冷えがある女性に対して、「中注〜肓兪」ラインへの温灸や手当てで、深いリラックス反応が得られることがある
・中注を中心に据えた腹部の“気感診断”によって、腎虚 or 脾虚 or 情志滞りの区別ができることも

▶ **温かい手で触れるだけでも、魂が戻ってくるようなツボ——それが中注。**

精神・感情への作用
・慢性的な「自分への無関心」や「空虚感」があるときに反応しやすい
・何かを“再スタート”したい人、エネルギーが空になった人への導入に適す
・「自分の中心に戻る感覚」が得られるツボでもある

▶ **「ああ、私の真ん中って、ちゃんとあったんだ」
 ——そう気づけるような、優しい起点が中注である。**

セルフケア・養生的活用
・夜寝る前に、中注を温灸でじんわり温めることで、深い睡眠と内臓回復が促される
・冷えや虚労体質の人は、中注に意識を向けながら深い呼吸を繰り返すことで「腎気を補う瞑想」が可能

▶ **中注に息を注げば、命もまた応えてくれる。**

→肓兪(こうゆ)

←四満(しまん)

→手の厥陰心包経

←足の太陽膀胱経

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