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四満(しまん) |

四満 — 「溜め込んだ気を、そっと解放する場所」
満ちたものは、やがて溢れる。
だが、溢れる前に「静かに抜ける」場所があれば、人は壊れずに済む。
四満は、そんな“余白の出口”なのかもしれない。
英語
Kidney(KI)14
Siman(Fourfold Fullness)
四満(しまん)
足の少陰腎経14
The Kidney Meridian of Foot-Shaoyin
四満
しまん
shiman
取穴部位
任脈の石門穴(関元の1寸下)の外方5分、臍下2寸の腹直筋中に取る。仰臥位で腹部の緊張を確認しながら、左右対称に圧痛・硬結を探る。腹直筋の収縮に合わせてわずかに沈みこむ部位が目安となる。
筋肉
腹直筋
運動神経
肋間神経(T12)
知覚神経
肋間神経前皮枝
血管
浅腹壁動脈、下腹壁動脈

主治(臨床応用)
・下腹部膨満感、腹部の張りと痛み(特に「四満」の名のとおり、張りが四方に広がるような感じ)
・婦人科系の停滞(子宮筋腫、月経困難症、不正出血、無月経など)
・便秘、腹部冷え、下痢(特に冷えによる)
・腎虚由来の膀胱不調(尿が出にくい、頻尿、残尿感)
・感情の鬱滞(「胸ではなく腹が詰まる」ような抑圧感)
▶ **「気・血・水」が腹部に溜まり、流れなくなった時に開放する“腹の四門”**
名前の由来(オリジナル解釈)
「四満」とは:
▶ 「四」は四方八方、あらゆる方向への広がりを示し、
▶ 「満」は溜まりすぎた状態、詰まり、張りを意味する。
つまり、**「四満」は“あらゆる方向に滞った気が、腹部に充満した状態”を捉え、そこからの解放を導く穴。**
▶ 特に、腹部の「内なる鬱積」が、体調や心の不調を引き起こしている時に強く反応する。
象徴的な意味・経絡的意義
・腎経が命門から腹部へと昇る中継点であり、「生命エネルギーのうっ滞」によく反応する
・「満ちる」ことを表すこの経穴は、**“溜め込んだものを捨てる勇気”**を象徴する場所
▶ **不要なものが溜まりやすい現代人にとって、四満は“余分を手放し、本質へ還る入口”である**
詩的・感情的イメージ
・「言葉にならない想いが、腹の底で膨らんでいく」
・「張っているのに、出ていかない」
・「膨張した静寂」
▶ **このツボに触れられたとき、溜めてきた感情や記憶が、ふと涙として溶け出す人もいる。**
臨床応用のヒント
・婦人科系トラブルで、「子宮の冷え」や「詰まり」を感じるタイプには特に効果的
・冷え+感情抑圧のある便秘型にも活用できる(お灸が特に有効)
・四満を中心に腹部を“対話的に触れる”ことで、患者自身が感情や気づきを得やすい
▶ **腹は“第二の心”。四満は、その奥底にある「未消化の気」を解き放つ。**
精神・感情への作用
・怒り・悲しみ・不安といった複雑な感情が、言葉にならずに腹部に蓄積されていることがある
・四満は、そうした“感情の倉庫”に風穴を開け、
**体と心のあいだの「詰まり」をゆるやかに解放する**
現代的応用(セルフケア・養生)
・お灸(台座灸・温灸)による日々の温めが、便通・生理前症候群・情緒安定に役立つ
・ストレスや慢性的な我慢が多い人は、四満に手を当てて深呼吸を数回——それだけでも、溜まっていた気が動き始める
▶ **「我慢して膨らんだ腹の奥で、ようやく自分が泣けた」
そんな瞬間を迎えるためのツボ、それが四満。**
→中注(ちゅうちゅう)
←気穴(きけつ)
→手の厥陰心包経
←足の太陽膀胱経
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