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経絡・経穴(ツボ)

隱白(いんぱく)

「心配」を手放し、純白な沈黙へ帰るツボ

脾経の原点であり、内なる静けさ・精神の清澄を取り戻すための“魂の足元”。

静かに見つめるだけで、思考と感情が整っていく、そんな経穴です。

英語
Spleen(SP)1
Yinbai(Hidden White)

隱白(いんぱく)(井木穴)

足の太陰脾経1
The Spleen Meridian of Foot Taiyin

隱白
いんぱく
inpaku

取穴部位
足の第1趾(母趾)内側爪甲根部、爪の角を去ること約1分(約3mm)の位置。
視診では皮膚色や爪の状態、触診では反応点や圧痛を確認しながら補正を加える。

筋肉
皮下組織内(骨膜近く)で明確な筋腹はなし

運動神経
―(この部位には顕著な運動神経支配は見られない)

知覚神経
浅腓骨神経(足背枝)

血管
第1背側中足動脈の枝

足の太陰脾経

主治
・出血症状(月経過多、不正出血、鼻血、血便、吐血)
・睡眠障害(入眠困難、悪夢、心配による不安感)
・消化器の不調(食欲不振、胃のつかえ、嘔気)
・精神的な動揺(恐れ・不安・予期不安・過度の心配)
・夢精や夜間尿失禁(脾不統血、腎虚との兼症)

中医学的解釈
・足の太陰脾経の井穴(せいけつ)であり、経気の源が地表に現れる“起点”。
・五行では「木」に属し、「脾の土」を剋するため、過剰な内向性・湿滞・停滞を動かす。
・「脾は統血を司る」ため、出血の制御や、心配事による気の不安定を安定させるポイント。

名前の由来(オリジナル解釈)
・「隱」は“隠れる・内なるもの”、“白”は“純粋・血の精華”を象徴。
・つまり「身体の奥に潜んだ純白な力=精血や魂魄の静けさを守る」ことが示唆されている。
・精神と血の安寧、心配や不安の源を沈静化し、「静寂な本心」に戻るための穴。

精神的・エネルギー的な側面
・脾は「思(おもい)」を司り、過度の考えごとや心配によって気を消耗する。
・隱白は、「心配しすぎるあなた」に沈黙と休息をもたらす緊急停止スイッチ
・眠れぬ夜に頭を静める「内なる白い光」のツボとして、軽く触れるだけでも安らぎが生まれる。

臨床応用
・出血症状には「刺絡(しらく)」を施すことで、経絡のうっ血を解放し、統血作用を調整。
・眠れない夜、脾虚による不安には、心包経・腎経との組み合わせ(内関、太渓など)で精神の安定をはかる。
・妊娠中・出産後の情緒不安定にも、脾の「抱えすぎる性質」にアプローチするために活用。

セルフケアのすすめ
・眠る前、親指の内側を軽くマッサージするだけで「脳内のおしゃべり」が静かになる感覚。
・静かに呼吸を整えながら触れると、自分の中心軸がゆっくりと戻ってくる感覚を得られる。
・心配性や不安神経質の方には「毎晩の儀式」としてもおすすめ。

注意点
・敏感な部位であるため、過度な刺激や長時間の圧迫は避ける。
・冷えや湿気によって反応が鈍くなることがあるため、事前に温めると効果が出やすい。

→大都(だいと)

←大包(たいほう)

→手の少陰心経

←足の陽明胃経

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