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経絡・経穴(ツボ)

腹哀(ふくあい)

「胸ではなく、腹が泣いていることに気づく場所」

感情は頭で感じるものではありません。

多くの人が、言葉にできない“哀しみ”を腹に飲み込んでいます。

腹哀は、そんな見過ごされた感情が沈んでいる“感情の倉庫”への入り口です。

その扉をそっと開けて、過去に閉じ込めた想いに優しく寄り添ってあげましょう。

英語
Spleen(SP)16
Fuai(Abdominal Lament)

腹哀(ふくあい)

足の太陰脾経16
The Spleen Meridian of Foot Taiyin

腹哀
ふくあい
fukuai

取穴部位
大横穴の上3寸、建里穴(任脈12)の外3寸5分に位置する。
肋骨弓の下縁に沿って、臍の上方で腹部を触診し、圧痛や硬結などを手がかりに定点化する。

筋肉
外腹斜筋、内腹斜筋

運動神経
肋間神経、腸骨下腹神経、腸骨鼡径神経

知覚神経
肋間神経外側皮枝

血管
肋間動脈、上腹壁動脈、下腹壁動脈

足の太陰脾経

主治
・胃痛、みぞおちのつかえ感、消化不良、胃もたれ
・お腹の張り、ガスの滞留、吐き気
・心窩部不快感(ストレス性)
・月経に伴う上腹部の違和感や痛み
・ストレスによる“胃の詰まり”と“胸苦しさ”

中医学的意義
・脾経が胸腹部へと向かう途中にあり、「胃脘(いかん)の気滞」を調える重要なポイント。
・「脾不統血」や「肝脾不和」によって生じる中腹部の“痛み”や“情緒の停滞”に対応。
・心と胃腸がつながっていることを体感できる経穴である。

名前の由来(オリジナル解釈)
・「哀」は悲しみ。
・「腹哀」は、感情が“腹に宿ってしまった”状態をあらわす象徴的な名称と考えられる。
・東洋医学では、「悲しみは肺に宿る」と言われるが、実際には**解消されなかった悲しみが“腹部”に沈殿することが多い**。
・このツボ名は、**“人に言えない、押し殺した悲しみ”が溜まった腹部の結び目**を解く鍵であることを物語っている。

象徴的な意味・心身へのアプローチ
・腹哀は、感情が内臓を支配してしまった時に反応するポイント
・「どうして私ばかり…」という気持ちを繰り返していたり、過去の後悔が消化されずに胃に溜まっている人は、触れると硬く反応する。
・この経穴をゆっくりと温めることで、**“過去に宿った哀しみ”がゆるみ、再び消化されていく過程を促す**ことができる。

セルフケアのヒント
・腹式呼吸とともに優しく圧をかけてみると、深層の感情が浮かび上がることがある。
・カイロや温灸で5〜10分温めるだけでも、「心の胃もたれ」が解ける感覚がある。
・悲しみを感じた時、無理に忘れず「腹哀」に手を当てて「大丈夫だよ」と声をかけてみる。それが“自己受容”の始まりとなる。

注意点
・深い悲しみを抱えている人では、施術中に涙が出ることがある。だが、それは解放のプロセスとして自然な反応。
・妊娠中は慎重に扱い、直接の圧迫は避ける。

→食竇(しょくとく)

←大横(だいおう)

→手の少陰心経

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