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経絡・経穴(ツボ)

天溪(てんけい)

「胸を開き、心を流す谷」

「胸が詰まる」と感じるとき、単なる体の不調ではなく、心の流れがせき止められているサインかもしれません。

**天溪(てんけい)**は、胸という“感情の貯水池”に静かに流れを戻すツボ。

想いが流れることで、呼吸も、人生も、もう少し軽やかになるかもしれません。

英語
Spleen(SP)18
Tianxi(Celestial Ravine)

天溪(てんけい)

足の太陰脾経18
The Spleen Meridian of Foot Taiyin

天溪
てんけい
tenkei

取穴部位
膻中穴(任脈17)の外6寸、乳中穴(胃経17)の外2寸、第4肋間に位置。
乳頭のやや外側で、第4肋間の肋骨の間を横断的に探り、呼吸に合わせて柔らかく沈む部位。

筋肉
大胸筋(その下に肋間筋)

運動神経
内・外側胸筋神経

知覚神経
第4肋間神経の外側皮枝

血管
外側胸動脈、肋間動脈

足の太陰脾経

主治
・胸部の詰まり、息苦しさ、浅い呼吸感覚
・胸脇痛、乳房の腫れや痛み(特に月経周期による張り)
・胸の不安感、心臓の鼓動が気になる(動悸)
・乳腺炎、乳汁分泌不全(母乳トラブル)
・精神的ストレスが胸にたまっているような感覚、情緒の停滞

中医学的意義
・「天」は空間や高次の気の流れ、「溪」は渓谷や流れを表す。
 **“気の源流が胸部に降りてくるポイント”**として、上焦の気の流れを整える要所とされる。
・**「心と乳」と「脾の運化機能」をつなぐツボ**として、情緒と食欲、循環を包括的に整える作用がある。

名前の由来(オリジナル解釈)
・「天」は精神や心、「溪」は流れ。
・このツボは、**“心の内なる川(情緒)が滞りなく流れるようにする場所”**として機能する。
・現代的には「胸の奥に流れが戻る場所」として、**呼吸と感情の調和点**と読み替えるとわかりやすい。

象徴的な意味・心身へのアプローチ
・胸が重く感じるとき、心に引っかかりがあるとき、
 この天溪は**「気持ちの通り道」を再び開くスイッチ**となる。
・「溜め込んでいた想いを解き放ちたい」「呼吸が浅く苦しい」時、静かに触れて深呼吸を。
・とくに女性では、乳房の張りや情緒不安が連動することが多く、
 **このツボを整えることで月経周期に伴う不調を和らげる**ことにもつながる。

セルフケアのヒント
・胸に違和感がある時は、天溪を中心に**ゆっくりと温湿布や手のひらで温めるケア**がおすすめ。
・深い呼吸とともに「私は胸を開き、思いを流します」と心の中で唱えると、より穏やかな効果が得られる。

注意点
・乳がん手術歴のある方や授乳中の方は、使用に配慮が必要。
・刺激の際は肋間神経痛や肋骨の骨折歴がある場合、専門家の指導を受けることが望ましい。

→胸郷(きょうきょう)

←食竇(しょくとく)

→手の少陰心経

←足の陽明胃経

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