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経絡・経穴(ツボ)

胸郷(きょうきょう)

「感情のふるさとに還るツボ」

日々の中で、自分の心がどこかに置き去りにされているように感じることはありませんか?

**胸郷(きょうきょう)**は、心が再び自分自身に戻る場所です。

このツボに触れることで、感情の波に呑まれるのではなく、そこから還る道が静かにひらかれていきます。

英語
Spleen(SP)19
Xiongxiang(Chest Village)

胸郷(きょうきょう)

足の太陰脾経19
The Spleen Meridian of Foot Taiyin

胸郷
きょうきょう
kyokyo

取穴部位
膻中穴(任脈17)の外6寸、乳中穴(胃経17)の外2寸、第3肋間に位置。
※第3肋間を探すには、鎖骨のすぐ下(第2肋間)から下へ指1本分。
乳頭の外上方、胸郭がやや持ち上がるポイント。

筋肉
大胸筋(深部に肋間筋)

運動神経
内・外側胸筋神経

知覚神経
第3肋間神経の外側皮枝

血管
外側胸動脈、肋間動脈

足の太陰脾経

主治
・胸痛、肋間神経痛、胸部の張り感
・咳嗽、喘息、胸部の閉塞感(特に情動と連動するもの)
・乳房の腫脹や痛み(月経前症候群など)
・感情の抑圧による呼吸の浅さ、不安感や焦燥感
・「胸に住む感情」のうっ滞や、喉や胸が詰まるようなストレス症状

中医学的意義
・「胸郷」は、“胸の郷(ふるさと)”とも訳され、
 **心の住まう場所、感情の帰る場所**を意味する。
・五志のうち「思(おもい)」と関係の深い「脾」と「心」の接点で、
 **過剰な思慮やストレスが胸に及ぼす影響を和らげる**働きがある。

名前の由来(オリジナル解釈)
・「胸」は感情の中心、「郷」は帰る場所や本来の自分を意味する。
・胸郷は、**“感情が本来の穏やかな場所へ還るためのツボ”**として働く。
・「胸が騒ぐ」「心がざわつく」ときに、静かに触れることで“自分自身の内的な郷里”を取り戻す入口となる。

象徴的な意味・心身へのアプローチ
・このツボは、**自律神経のバランスを整える心のバイパス**でもある。
・外に向けてばかり心を使いすぎて疲れてしまったとき、胸郷に触れると“心の居場所”を再認識できる。
・呼吸法と組み合わせてケアすることで、深く安定した安心感を取り戻しやすくなる。

セルフケアのヒント
・日中に溜まった感情をリセットするために、就寝前に軽く胸郷を押し、3回深呼吸する習慣がおすすめ。
・「私は自分の心に帰ります」「私はここにいていい」と唱えることで、精神的な帰属意識が安定する。

注意点
・妊娠中や授乳中の方は、乳腺や周辺組織の変化があるため、使用の際には軽刺激・短時間で。
・肋骨部の圧痛や骨折既往がある場合、医療者の判断を仰ぐこと。

→周栄(しゅうえい)

←天溪(てんけい)

→手の少陰心経

←足の陽明胃経

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