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陰市(いんし) |

静けさの中に、再起動の力が宿る場所
何も動いていないようで、静かに“気の商い”がなされている
疲れやすい足、迷いの多い心を整える「気の転換場」
陰市は「立ち止まり、力を蓄える勇気」を与えてくれる経穴
英語
Stomach(ST)33
Yinshi(Yin Market)
陰市(いんし)
足の陽明胃経33
The Stomach Meridian of Foot Yangming
陰市
いんし
inshi
取穴部位
大腿部の前外側で、膝蓋骨外上角から髀関穴に向かって上3寸の位置。
外側広筋の筋腹に相当し、押すと筋肉の緊張や痛みを感じやすい。
筋肉
外側広筋
運動神経
大腿神経
知覚神経
外側大腿皮神経、大腿神経前皮枝
血管
外側大腿回旋動脈

主治
・太腿前面の重だるさ、張り、こわばり
・下肢の麻痺、歩行障害、筋萎縮
・膝関節の拘縮や痛み(膝伸展障害)
・胃腸機能低下に起因する足の冷え、倦怠感
・陰部周辺の違和感、慢性の会陰部痛(坐骨神経の枝走行関与)
名前の由来(オリジナル解釈)
「陰市」とは、
「陰(内面・静)にある市場(エネルギーの交換・巡りの場)」という意味。
陽明胃経の通過点として、陰の気が集まり一時的に取引(交換)される要所を指す。
古代の「市(いち)」は単なる売買の場ではなく、
人と人、神と人、気と気が交差する“時空の交点”であった。
つまり陰市は、「体内の気血が一瞬集まり、次の目的地へと分配される関所」。
ここが詰まれば、下肢全体の循環や筋肉の動きが滞りやすい。
逆に開けば、**“静かな推進力”**が足から身体全体に波及する。
中医学的意義
・胃経における「気血の中継点」として、陰陽のバランスを整える作用がある。
・特に「陰虚に傾いているが、陽気が動けない」ような虚実混合タイプに効果的。
・“筋を通す”だけでなく、“筋の奥にある気の流れ”を調えるための要穴。
臨床応用メモ
・運動後の大腿外側の違和感に。スポーツ障害(特にランナー膝やジャンパー膝)に応用。
・冷え性で足の感覚が鈍くなっている人に、軽く温灸をすると気が通りやすい。
・「陰市+足三里」で胃経を上下に開き、胃腸の働きを根本から整える処方に。
・うつ症状や自律神経の乱れで「足が重く、動く気がしない」タイプの心理的サポートにも活用。
心理・スピリチュアル的意味(オリジナル視点)
陰市は、「見えないエネルギーが密かに行き交う場所」。
忙しさに翻弄され、足元を見失った現代人にとって、
「内なる静けさ」や「感覚の市場」に立ち戻るためのツボでもある。
・疲れているのに止まれない人
・心身の静けさを感じたい人
・他人に合わせすぎて、自分の内側が空洞になっている人
――陰市は、「自分の足で立つことを思い出す場」として活用できる。
セルフケア・家庭での活用法
・座位や寝た姿勢で、太腿の外側に手を当て、ゆっくり円を描くようにマッサージ。
・冷感のある人は温灸やカイロ、緊張が強い人は温めながら優しく指圧。
・「胃が重い」「歩きたくない」と感じた時に押すと、意外なリセット効果がある。
注意点
・筋層が深いため、過度な強刺激は筋肉痛や違和感を生む場合あり。
・出血傾向がある方、筋損傷の既往がある方は専門家に相談の上で活用を。
→梁丘(りょうきゅう)
←伏兎(ふくと)
→足の太陰脾経
←手の陽明大腸経
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