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下痢

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Diarrhea

もくじ

・自律神経失調症と下痢

・下痢とは

・下痢の種類と中医学的分類

・下痢の対応と食養生

・下痢を引き起こす生活要因

・慢性下痢と病気のサイン

・下痢のときの薬と生薬

・下痢の鍼灸、整体、マッサージ

執筆者

井出井出 貴之(鍼灸師)プロフィール

自律神経失調症と下痢

下痢は、自律神経のうち「副交感神経」が過剰に働きすぎているときに起こりやすくなります。

副交感神経は本来、休息や消化を司りますが、ストレスや心因的な緊張により、過剰に優位になると腸の動きが活発になりすぎ、結果として便が早く排出されてしまいます。

自律神経失調症 下痢

下痢とは

下痢とは、腸の蠕動運動が早まり、便の水分が十分に吸収されないまま排出される状態です。

下痢は一見「悪いもの」と捉えられがちですが、身体が異物や余分な熱・湿を排出しようとしている自然な防御反応でもあります。

下痢の種類と中医学的分類

中医学では下痢は以下のように分類されます。

①寒湿泄瀉(かんしつせっしゃ)
・冷たい飲食、冷え、湿気によって引き起こされる下痢。
・特徴:水様便、腹部が冷える、悪寒、身体が重だるい。

②湿熱泄瀉(しつねつせっしゃ)
・油っこい食事、暴飲暴食、感染症による下痢。
・特徴:臭いが強い便、肛門の灼熱感、口が苦い、発熱。

③肝脾不和(かんぴふわ)
・ストレスや怒りによる自律神経の乱れからくる下痢。
・特徴:便意があるが下せない、腹部の張り、ゲップ、ため息。

④脾虚泄瀉(ひきょせっしゃ)
・胃腸がもともと弱く、冷えや疲れにより消化力が低下することで起こる下痢。
・特徴:泥状便、食後すぐに下痢、疲れやすい、顔色が白い。

弁証(体質)によって施術や食養生がまったく異なるのが中医学の特徴です。

下痢の対応と食養生

急性の下痢では、まず脱水症状を防ぐために水分・塩分補給を最優先します。

中医学では以下のような「食べ方の工夫」が養生になります:

・温かく消化の良い食べ物(例:葛湯、お粥、生姜湯)
・体を温める食材(例:山椒、シナモン、ねぎ)
・油もの、生もの、冷たい飲食は避ける
・納豆や味噌などの発酵食品も、体質によっては一時的に控える

自律神経失調症 下痢3

下痢を引き起こす生活要因

・ストレス・緊張(交感神経と副交感神経のスイッチ切替が乱れる)
・冷房、冷たい飲食、薄着
・暴飲暴食、夜食、アルコール過多
・過労や睡眠不足による脾の虚弱

中医学では「脾は湿を嫌う」とされ、過剰な湿気は消化機能を阻害し、下痢を引き起こすと考えます。

慢性下痢と病気のサイン

1ヶ月以上続く慢性下痢は、以下の病気が隠れている可能性があります:

・過敏性腸症候群(IBS)
・潰瘍性大腸炎・クローン病
・大腸がん
・甲状腺機能亢進症

慢性の軟便・下痢がある方は、一度医療機関で検査を受けることも大切です。

下痢のときの薬と生薬

西洋薬の下痢止めは、急性の感染性下痢では避けるべき場合もあります。

中医学・民間薬で用いられるもの:

・黄檗(おうばく)…殺菌効果、成分ベルベリンを含む
・山薬(さんやく)…胃腸を補う、生姜と相性が良い
・訶子(かし)…収れん作用、便を締める

代表的な処方:陀羅尼助丸、百草丸、正露丸など
自律神経失調症 下痢2

下痢の鍼灸、整体、マッサージ

下痢症状に対して、以下の経穴がよく使われます:

・大腸兪(だいちょうゆ)…腰のツボ、腸全体の調整
・天枢(てんすう)…お腹の要穴、便秘と下痢両方に使用
・大巨(だいこ)…腸の動きを穏やかに整える
・足三里(あしさんり)…胃腸の万能ツボ、虚弱体質にも
・温溜(おんる)、腹瀉点(ふくしゃてん)…手や腕の反応点

※ご自宅で市販の「お灸」を使用する際にもご参考ください。

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参考文献・引用

自律神経を整える 健康の知恵袋
(著)里見 英子
主婦の友社
2016年11月14日発行

眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話: 自律神経のギモンを専門医がすべて解説!
(著)日本文芸社
ワニブックス
2020年02月22日発行

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