
動悸
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Palpitations
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自律神経失調による動悸
動悸の自覚症状があるにもかかわらず、検査では「異常なし」とされるケースは少なくありません。
これは、自律神経の乱れによって起こる機能的な動悸が、医学的な「病気」とは診断されにくいためです。
本人としては、胸がドクドクと脈打ち、日常生活に支障をきたしているにもかかわらず、「気のせいです」と一蹴されてしまうと、二重のストレスを抱えることになります。
実際には、自律神経の交感神経が過剰に優位となることで、身体は常に緊張・警戒状態になり、心拍数や血圧が上がってしまいます。
このような「目に見えない症状」を理解し、対処することが今後の医療には求められていくでしょう。

動悸で考えられる主な病気
以下のような病気が動悸の背景に隠れていることがあります。
・**貧血**(とくに鉄欠乏性貧血)
・**甲状腺機能亢進症**(バセドウ病など)
・**心臓の不整脈**(期外収縮、心房細動など)
・**更年期障害**によるホルモンバランスの変動
・**パニック障害・自律神経失調症**
病院での検査では「異常なし」と言われても、慢性的に疲れが取れず、動悸が続く場合には、自律神経の乱れやホルモンバランスの影響を疑う必要があります。

動悸の検査
動悸を感じた場合、まずは循環器内科で以下の検査を受けることが推奨されます:
・**心電図(ECG)検査**
・**ホルター心電図(24時間)**
・**甲状腺ホルモン、貧血の血液検査**
健康診断のような一時的な検査では、症状が現れないことも多く、特に自律神経系の異常は見逃されがちです。
また、心臓以外に原因がある場合、総合的な視点が求められます。
ストレスと動悸
ストレスや精神的な緊張が動悸の原因になることはよく知られています。
中でも、職場・家庭・人間関係における「我慢」「抑圧」「責任感の過剰」が、自律神経を常に興奮状態にしてしまい、動悸を引き起こす引き金となります。
漢方ではこのような症状を「奔豚気(ほんとんき)」と表現します。
体の中心を下から上に突き上げるような気の逆流、胸の苦しさ、喉の詰まり感、涙や不安が一気にあふれ出るような状態は、現代でいうパニック発作とも重なります。
心の圧力は、体の症状として現れるのです。

動悸と中医学の視点
中医学では、動悸は単に心臓の問題だけではなく、「心(しん)」「肝(かん)」「脾(ひ)」「腎(じん)」の不調として総合的にとらえます。
◆ **心虚(しんきょ)**:精神疲労、不安、不眠を伴う動悸
◆ **肝火上炎(かんかじょうえん)**:怒りやイライラが動悸を引き起こす
◆ **腎陰虚(じんいんきょ)**:加齢・過労・慢性疲労による体力低下からくる動悸
◆ **痰濁内阻(たんだくないそ)**:胸のつかえ感、動悸、めまいなど痰や湿が関与するタイプ
「気血水」の巡りが滞ることで、身体のバランスが崩れ、それが心拍の異常となって現れます。
現代医学では捉えきれない“未病”の段階で中医学は有効なアプローチを提供します。
動悸の鍼灸、整体、マッサージ
東洋医学的なアプローチとして、以下の経穴(ツボ)が臨床でよく使われます:
● **郄門(げきもん)**:精神を落ち着かせるツボ、動悸・胸の圧迫感にも
● **神門(しんもん)**:安神作用があり、不安や焦燥感にも効果的
● **膻中(だんちゅう)**:胸の中心、気の巡りを調え動悸や呼吸の違和感に
● **太渓(たいけい)・照海(しょうかい)**:腎の陰虚が原因の場合に
鍼灸・整体では、心身両面からのアプローチにより「気の逆流(気逆)」を整え、呼吸を深くし、心拍を穏やかにする効果が期待されます。
※市販のお灸を使ってセルフケアをする際も、これらのツボを参考にしてみてください。
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参考文献・引用
自律神経失調症が必ず治る本―頭痛、肩こり、めまい、動悸、不眠がらくになるヨシコ式「冷え取り術」
(著)高木 嘉子
マキノ出版
1999年12月01日発行
眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話: 自律神経のギモンを専門医がすべて解説!
(著)日本文芸社
ワニブックス
2020年02月22日発行
自律神経失調症 動悸 関連外部リンク
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