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経絡・経穴(ツボ)

曲差(きょくさ)

直線では見えない景色が、“曲がり角”にはある。

―曲差は、氣の折り返し地点。そこに余白と転機が生まれる。

英語
Bladder(BL)4
Qu Cha(Deviating Turn)

曲差(きょくさ)

足の太陽膀胱経4
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang

曲差
きょくさ
kyokusa

取穴部位
神庭穴と頭維穴を結ぶ直線上で、神庭の外方1寸5分。
生え際の曲がり角にあたるようなポイントで、前頭部の左右のカーブの“差”が視認できる位置。

筋肉
前頭筋(外側部)

運動神経
顔面神経(側頭枝)

知覚神経
眼窩上神経(前頭神経の枝)

血管
眼窩上動脈、滑車上動脈の外側枝

足の太陽膀胱経

主治
・片側性の前頭痛、側頭部の緊張性頭痛
・眼精疲労、光に敏感になる症状(羞明)
・思考の偏り、固着した考え方への解放
・ストレスによる額〜側頭部の圧迫感
・自律神経のアンバランスからくる上半身の熱感

名前の由来(独自解釈)
「曲」は“曲がる”や“折れる”を意味し、「差」は“ずれ”や“際立ち”を表す。
すなわち**「氣が一度曲がり、流れが変わるところ」**を示していると解釈できる。
膀胱経は背部を流れる長大な経絡だが、前頭部では一度“方向の屈曲”を迎える。
曲差はまさに、**陰陽の反転点=思考の転換点**として機能する要所。

中医学的意義
・膀胱経の「風熱上擾」がここで滞ると、眼・頭・額にこもる症状が起きやすい。
・曲差を開放することで、「陽の氣」をうまく分散・散熱できるようになる。
・精神的には、「一点集中」しすぎた氣を曲げて、**“視野を広げる”**働きがある。

現代的意義
・思考のクセ・完璧主義・認知の偏りといった“脳の硬直”が問題となる現代。
・曲差は、そうした**“頑なな脳の折り返し地点”**として刺激できる。
・パソコンやスマホ作業による前頭部のこわばりにも特効。
・“決めつけ思考”をゆるめ、「別の道もある」と氣づかせてくれる場所。

スピリチュアルな示唆
・曲差は、**“思考の道に曲がり角をつくる”**ツボ。
・私たちはしばしば「こうでなければ」という一本道に囚われるが、
この経穴はその一本道に、**“ゆらぎ”や“余白”を挿入する役割**を持つ。
・東洋的智慧において「差異」は敵ではなく、進化や成長のタネ。
曲差は、**“違いを受け入れ、氣を緩める場”**として機能する。

セルフケア活用法
・片頭痛の予兆がある時、左右の曲差を軽く押しながら深呼吸。
・「こうするしかない」と思った時に、眉頭の外上を指でなぞると、思考の切り替えが起きやすい。
・頭皮マッサージの際、指の腹で円を描くように優しく刺激すると前頭葉の緊張が緩む。

臨床での応用
・精神的な過集中、視野狭窄、頑固さ、不安による呼吸の浅さなどに有効。
・攅竹や眉沖と組み合わせることで、前頭部〜眼窩〜側頭部の氣の流れを全体的に整える。

→五処(ごしょ)

←眉沖(びしょう)

→足の少陰腎経

←手の太陽小腸経

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