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譩譆(いき) |

譩譆は「涙を背中で受け止めるツボ」
泣くことを許されなかったあの日、
背中がすべてを引き受けてくれていた。
今こそ、譩譆に手を当てて、
「泣いてもいいよ」と自分に言ってあげよう。
英語
Bladder(BL)45
Yi Xi(Yi Xi)
譩譆(いき)
足の太陽膀胱経45
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang
譩譆
いき
iki
取穴部位
第6・第7胸椎棘突起間の外3寸。僧帽筋と菱形筋の深部に位置し、呼吸時に背中でわずかに膨らむポイントにあたる。
筋肉
菱形筋、僧帽筋、脊柱起立筋(深層)
運動神経
肩甲背神経、頚神経叢筋枝
知覚神経
胸神経後枝(T6・T7)
血管
頚横動脈、肋間動脈の枝

主治
・胸部の圧迫感、呼吸困難、咳嗽、喘鳴
・慢性の喉のつまり、言葉にならない感情の抑圧
・感情が込み上げてきて息が詰まる、号泣した後の背中の緊張
・自律神経失調による息切れ、不安発作
・慢性疲労症候群、背部の冷え、内臓下垂感
名前の由来(オリジナル解釈)
「譩譆」は、中国古語で“しくしく泣くさま”を表す擬声語であり、「いき」という音には「呼吸」「息」「生きる」の意味が重なる。
つまりこのツボは、**“抑圧された感情が呼吸となって漏れ出る場所”**であり、**泣きたくても泣けない人の背中に現れる涙の出口**とも言える。
鬱積した「気」や「言葉にならない思い」が、このポイントに溜まりやすい。
中医学的意義
・五臓の「肺」と「心」に間接的に作用し、「神志」と「宗気」の通路を緩める作用がある
・「氣鬱化火」や「肺気閉塞」による呼吸器系・情緒系の症状に使われる
・背部の気の流れを「泣く」ことで解放するという古典的な情緒処理法に基づくツボであり、現代でいう心因性呼吸症状やHSP傾向の感情過敏にも応用される
精神的象徴(独自視点)
・譩譆は「泣きたいけれど、泣けなかった記憶」が沈殿する場所
・本来、泣くことは氣の流れを正常に戻す“自然な排出”
・譩譆のツボが冷たく感じられるとき、それは「本当の感情を凍らせている証拠」
・このツボがゆるむと、自然と深く息が吸えるようになり、涙が出ることもある——それが浄化であり、再生である
臨床応用
・情緒不安・抑うつ傾向:譩譆 + 魄戸 + 神堂 + 太淵(針は浅く温かく)
・ストレス性の咳・息切れ:譩譆 + 中府 + 列缺 + 内関(理気開胸)
・トラウマ後の過呼吸傾向:譩譆 + 百会 + 心兪 + 大陵 + 足三里(気を整える)
セルフケア・生活応用
・一人でいる時間に、譩譆のあたりを温灸やホットタオルで温めながら深い呼吸をしてみてください。
・過去の悲しみや心残りが浮かび上がってくることがありますが、それは身体が「癒す準備が整った」サインです。
・自分を責めることなく、「ここまでよく生きてきた」と心でつぶやいてあげると、ツボがふっと緩み、胸が軽くなります。
→膈関(かくかん)
←神堂(しんどう)
→足の少陰腎経
←手の太陽小腸経
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