![]() |
陽綱(ようこう) |

陽綱とは、「陽の暴れ馬に手綱をつける場所」。
自分でもどうにもできない焦燥感や怒り。
それは“気”の力があふれている証拠。
陽綱にそっと意識を向けると、
そのエネルギーは暴力ではなく、行動力に変わっていく。
英語
Bladder(BL)48
Yang Gang(Yang Headrope)
陽綱(ようこう)
足の太陽膀胱経48
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang
陽綱
ようこう
yoko
取穴部位
第10・第11胸椎棘突起間の外3寸。
身体を前屈させた際、背中に現れる“熱と力の張り”が最も感じられるポイント。肝兪・魂門の下方に連なり、胆兪に向かう要点。
筋肉
広背筋、脊柱起立筋(最長筋、腸肋筋)
運動神経
胸背神経(C6-C8)
知覚神経
胸神経後枝(T10-T11)
血管
肋間動脈、肩甲背動脈分枝

主治
・肋間神経痛や脇腹の張り(特に怒り・ストレスによる)
・胆嚢系の不調:口苦・側腹痛・イライラ・決断力低下など
・情志の不安定と身体の硬直が連動するタイプ
・慢性疲労による肝胆系のうっ滞(だるさ、目のかすみ)
・中医学でいう「少陽不和」:半身の違和感や起伏する熱感などに有効
名前の由来(オリジナル解釈)
「陽綱」とは、「陽=気の発動、綱=導きの縄・コントロールライン」を意味する。
これは**内に籠った熱や情動を、理性的に整え外へ導く“気の手綱”**のような場所。
たとえるなら「爆発しそうな怒りや焦燥のエネルギーを、理性の手綱でコントロールする門番」。
中医学的意義
・陽綱は肝経・胆経のうっ滞や興奮により発生する「横隔部の詰まり」や「脇肋部の張り」に対応。
・とくに「陽気が暴走しやすい体質」(決断力過剰、怒りっぽい、頭熱感)において、胆の処理力を高め“肝気を平らかにする”役割がある。
・膀胱経上にありながら、少陽(肝・胆)の陽気を調整するというユニークな性格を持つ。
精神的象徴(独自視点)
・陽綱は**「感情と行動のバランスの綱」**。
・怒りを飲み込みすぎれば肝気が滞り、爆発すれば胆火が上がる。
・陽綱はその間に立ち、**内にこもる「決断しきれない激情」**を、身体と精神の双方から整える。
・「うまく怒れない人」「決断したいのに踏み出せない人」にこそ必要な経穴。
臨床応用
・ストレス性の肋間痛、過緊張:陽綱 + 膈関 + 太衝 + 陽陵泉
・決断疲れ・神経性の胃痛:陽綱 + 胆兪 + 中脘 + 足三里
・怒りやフラストレーションの蓄積:陽綱 + 行間 + 曲泉 + 百会
・半身の不調(頭は熱いのに下半身が冷えるなど):陽綱 + 太谿 + 三陰交 + 合谷
セルフケアのヒント
・手で届きにくい場所にあるため、お灸や温灸器を使って5〜10分温めるとよい。
・「怒りの熱」や「決められない焦り」がある時、ゆっくり吐く息とともにこの部位を意識して温める。
・陽綱を感じることで、「頭では考えているのに、体が動かない」という分断が徐々に融解する感覚が得られる。
補足(エネルギーの通り道として)
・魂門〜陽綱〜胆兪〜陽陵泉へと続くラインは、**“思考を実行へとつなげる”**気の連携ルート。
・このラインが詰まると、何かを“決めたつもり”でも、行動には至らないことが多くなる。
・陽綱はその中間地点として、**意志と行動の断絶を繋ぎ直すカギ**。
→意舎(いしゃ)
←魂門(こんもん)
→足の少陰腎経
←手の太陽小腸経
関連記事
