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飛陽(ひよう) |

飛陽は「飛びたいのに飛べない心」に手を差し伸べる経穴
もし今あなたの“陽気”が沈み、希望を見失いそうなら──
飛陽を思い出してほしい。
ここから、ふたたび上昇の風が吹き始めるかもしれない。
英語
Bladder(BL)58
Fei Yang(Taking Flight)
飛陽(ひよう)(絡穴)
足の太陽膀胱経58
The Bladder Meridian of Foot-Taiyang
飛陽
ひよう
hiyo
取穴部位
外くるぶし(崑崙穴)から膝の方向へ約7寸上方、
腓腹筋が終わりヒラメ筋へ移行する境界線付近、
腓骨の後方やや外側、触れると少し凹みのある柔らかな部分に取穴する。
筋肉
腓腹筋(下部)・ヒラメ筋(上部)
運動神経
脛骨神経
知覚神経
外側腓腹皮神経
血管
腓骨動脈の枝

主治
・坐骨神経痛(特に外側型)
・足のしびれやピリピリ感(経絡上の「風」と「湿」)
・足の冷えや虚弱(陽気の不足)
・目の疲れ、視野のぼやけ(陽経の上昇ルート障害)
・精神的疲労、ストレス、抑うつ(膀胱経と腎の絡み)
・痔疾、排尿異常、会陰部の不快感(絡穴の特徴)
名前の由来(オリジナル解釈)
「飛」は“飛び出す・跳ねる・勢いよく動く”。
「陽」は“光・エネルギー・上昇の力”を意味する。
つまり飛陽とは、「陽気が飛び出し、経脈を横断して他を助けに行く場所」。
その象徴は「**絡穴**」という役割にこそある。
中医学的意義
・飛陽は膀胱経の**絡穴(らくけつ)**であり、
この経絡から別のルートに“情報”や“エネルギー”を伝える中継基地。
・この経絡は、**腎経や任脈、さらには肝・胆との交通路にもなる**と考えられており、
単なる足のツボではなく、身体内側の陰陽バランスを調整する役割をもっている。
・特に「気が巡らず滞っていると感じる」症状に適応しやすい。
ストレスで固くなった身体や、慢性の疲労に使うと良い。
精神的・象徴的意味(オリジナル比喩)
飛陽は、「飛び立てない心の重荷を放つ場所」。
現代人は、体も心も“陽気が下に溜まり”、飛べない状態に陥りがちである。
ふくらはぎのこの場所は、重力に引かれる“肉体の陰”と、
それに逆らって立ち上がろうとする“精神の陽”が交差する。
つまり、**飛陽は「重い現実を一瞬浮かせる希望のスイッチ」**でもある。
ストレスや緊張が溜まると、飛陽周辺が張ってくることが多い。
これは、まだ“飛べない思い”が肉体に沈んでいるという身体からのサインである。
臨床応用
・坐骨神経痛:飛陽 + 殷門 + 承山 + 委中
・冷えと抑うつ:飛陽 + 三陰交 + 太谿 + 神門
・目の疲れ:飛陽 + 睛明 + 太陽 + 肝兪(肝経との連携)
・下半身のむくみやだるさ:飛陽 + 陰陵泉 + 承筋 + 湧泉
セルフケアのヒント
・軽く屈伸しながら、ふくらはぎの外側中間部を親指で押し、深く呼吸を繰り返す。
・不安感やイライラを感じたとき、飛陽に手を当てて「抜ける」感覚を意識する。
・毎晩5分間、ホットタオルで飛陽周辺を温めると、不思議と心もゆるむ。
関連穴との連携
・崑崙:膀胱経の重要な“交通ターミナル”
・申脈:陽のエネルギーの流れを全身へ伝える“主開穴”
・太谿(腎経):陰陽バランスを整える“対のパートナー”
・神門(心経):精神的な不安定さを鎮める“心の安定装置”
→跗陽(ふよう)
←承山(しょうざん)
→足の少陰腎経
←手の太陽小腸経
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