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経絡・経穴(ツボ)

肘髎(ちゅうりょう)

肘髎は単なる「肘の外のツボ」ではなく、動き・決断・実行力の再起動ポイントとして捉えます。

英語
Large Intestine(LI)12
Zhou Liao(Elbow Bone Hole)

肘髎(ちゅうりょう)

手の陽明大腸経12
The Large Intestine Meridian of Hand-Yangming

肘髎
ちゅうりょう
chuuryou

取穴部位
肘を軽く屈曲させた状態で、上腕骨外側上顆のすぐ上際。上腕三頭筋の外縁にあり、押すと軽くくぼみを感じる部分。筋肉と腱の境目に位置することが多く、やや深い圧で触知できる。

筋肉
上腕三頭筋、腕橈骨筋

運動神経
橈骨神経

知覚神経
外側上腕皮神経

血管
橈骨反回動脈、中側副動脈

手の陽明大腸経

主治(伝統的な効能)
・肘関節の痛み、こわばり、可動制限
・上腕の筋肉疲労、緊張、だるさ
・肩や肩甲骨周囲の重だるさ、運動制限
・麻痺、しびれ(特に橈骨神経系統)
・五十肩の前段階や肩関節周囲炎の予防にも活用

名前の由来(オリジナル解釈)
「肘髎(ちゅうりょう)」の「髎」は“骨の隙間”や“節目”を意味し、人体における**動きの起点やエネルギーの中継点**を象徴する文字である。
「肘髎」は肘関節のすぐ近くにあるが、関節そのものではなく、**関節と筋肉・骨の“橋渡し”となる要所**。東洋医学的には、肘の「過ぎし力(力を使った後の疲れや残留エネルギー)」がこのポイントに集まるとされる。ここを通じて、**溜まった緊張や気の偏りを散らし、肩〜手の流れを正常に戻す“通関ポイント”**となる。

臨床的な特徴
・肘関節の外側にありながら、**肩関節や首の可動性にも影響を与える遠隔効果**を持つ。
・特に、腕を挙げる動作や持ち上げる動作に違和感のある人に有効。
・パソコン作業やスマートフォンの操作などで上腕が固定されている時間が長い現代人にとっては、**慢性的な緊張の“吹き抜け口”**となる。

精神面への作用
・「腕(うで)=実行力」「肘=行動の柔軟性」と見ると、肘髎は**“行動の詰まり”をほぐすツボ**とも言える。
・迷いや停滞感、「わかっているのに動けない」状態にある人に、このツボを刺激することで、**内なる決断と行動の調和を取り戻す助け**になると考えられる。

現代的な応用
・長時間のデスクワークや筋トレ後の腕のハリを軽減
・スポーツで酷使された腕や肩の回復サポート
・腕を後ろに回しづらい、洗濯物が干しづらいなどの“生活動作の不便さ”の改善
・介護や育児、掃除など“繰り返し動作”の疲労回復に◎

セルフケアの方法
腕を軽く曲げ、反対の手の中指で肘の外側の出っ張りのやや上、筋肉と骨の境を軽く探る。軽く圧をかけると、**ズーンと響く感覚**があるポイントが肘髎。
3秒押して2秒緩める、を5〜10回程度繰り返すと、肩・肘・手首までの“道のり”がスムーズになりやすい。

経絡内の位置づけ
肘髎は**「動きの分岐点」**としての象徴を持ち、肘を通じて**気血が流れ込む上腕部と前腕部を調整する役目**がある。肘関節周囲の滞りを整えることで、結果的に首・肩・背中までの負担を和らげる可能性もある。

注意点
・強い炎症(テニス肘・上腕骨外側上顆炎など)がある場合は、専門家の指導のもとで調整を。
・急性期の打撲や神経圧迫症状がある場合は、無理な刺激を避け、局所の安静を優先。

→手五里(てのごり)

←曲池(きょくち)

→足の陽明胃経

←手の太陰肺経

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