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経絡・経穴(ツボ)

手五里(てのごり)

「手五里」は、単なる“中継地点”ではなく、肉体と心理の両面から“再起”や“中間整理”の役割を持つツボとして位置づける。

英語
Large Intestine(LI)13
Shou Wu Li(Arm Five Li)

手五里(てのごり)

手の陽明大腸経13
The Large Intestine Meridian of Hand-Yangming

手五里
てのごり
tenogori

取穴部位
曲池(きょくち)穴から肩髃(けんぐう)穴に向かって上方3寸の位置。上腕の外側後方、上腕三頭筋の外縁をやや触れる深さに位置し、押圧すると圧痛や“気の響き”を感じやすい。

筋肉
上腕三頭筋、上腕筋

運動神経
橈骨神経、筋皮神経

知覚神経
外側上腕皮神経

血管
上腕深動脈

手の陽明大腸経

主治(伝統と現代を融合)
・上腕部の筋肉痛、こわばり、運動時の違和感や痛み
・肘~肩にかけての気の滞りによる重だるさや鈍痛
・肩関節周囲炎(五十肩)の初期や回復期の可動性回復
・橈骨神経痛や上腕のしびれ(特にデスクワークやスマホ使用後)
・ストレスからくる腕の緊張や「力が入らない」感覚のリリース

名前の由来(オリジナル考察)
「五里」という名は、かつての東洋的距離感覚で“やや遠く、旅の途中にある”ことを示す語。曲池から肩髃に向かうこの道筋において、ちょうど“折り返し地点”となるこのツボは、**旅の中継地点のように、気血が再調整される場所**であると考えられる。
また「手五里」は、**“行動の途中で起こる滞り”や“意志のゆらぎ”を整える中継点**としての象徴的意味をもつ。

精神・心理的意義
・何かを始めたが途中で疲れたり、自信を失ったりして“進みづらくなっている”状態に働きかける。
・「手=行動、実行」「五里=道中の停滞」ととらえると、**意志と行動をつなぎなおすツボ**とも言える。
・心が迷いやすいとき、腕の力が抜けるような無気力感に用いると、静かに再起を促すことができる。

現代的応用(生活シーン別)
・筋トレやスポーツ後の上腕ケアに:乳酸が溜まりやすい中部位をゆるめることで、疲労回復を促進。
・デスクワークで長時間マウス操作をした後に押圧すると、肩から手首までが軽くなりやすい。
・育児や介護で腕を酷使している人の「溜め込みポイント」としてセルフケアに最適。
・夢や目標に向かって進んでいたが、途中で息切れしている人に、“あと少しの推進力”を与えるツボとして心理的ケアにも活用できる。

セルフケアのコツ
肩をすくめずにリラックスした状態で、曲池と肩髃を結ぶ直線のちょうど中間を探る。親指の腹で3秒ほど押して、ゆっくりと離す。これを数回繰り返すことで、肩の重だるさや腕の疲れがふっと抜ける感覚が得られることもある。

経絡的な役割
このツボは、大腸経が「手」から「肩」へと気血を導いていく途中の**“整流ポイント”**にあたる。
ここを通る気の流れが円滑であれば、**外界に働きかける力(大腸経=陽明の“発散力”)**が健やかに発揮される。

注意点
・深部には神経幹(橈骨神経)が通るため、深く強く押しすぎるとしびれや鈍痛を生じることがある。
・圧痛が鋭く残る場合は、日を改めるか専門家に相談を。

→臂臑(ひじゅ)

←肘髎(ちゅうりょう)

→足の陽明胃経

←手の太陰肺経

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