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経絡・経穴(ツボ)

肩髃(けんぐう)

「意志を動作に変える関門」という観点で肩髃をとらえると、現代人の心理的・身体的課題への応用が広がります。

英語
Large Intestine(LI)15
Jian Yu(Shoulder Bone)

肩髃(けんぐう)

手の陽明大腸経15
The Large Intestine Meridian of Hand-Yangming

肩髃
けんぐう
kenguu

取穴部位
肩関節の前方、肩峰と上腕骨頭の間のくぼみ。腕を外転させると、三角筋の前部にくっきりと現れる陥凹部に位置する。

筋肉
三角筋(前部線維)

運動神経
腋窩神経

知覚神経
鎖骨上神経、外側上腕皮神経

血管
胸肩峰動脈の三角筋枝

手の陽明大腸経

主治(古典と現代の融合)
・肩関節の痛み、五十肩(特に外転障害)
・腕の挙上困難、夜間痛
・上肢の冷感や循環不良
・肩こり(前面型)、胸郭出口症候群の関連痛
・自律神経のアンバランスからくる肩前部の緊張

名前の由来(オリジナル解釈)
「肩」はそのまま肩の部位を指し、「髃」は古代中国語で「突き出た骨」や「峰(みね)」を意味する文字。
つまり「肩の峰」、すなわち**肩の最も高く、動きの要となる部分**にあることから「肩髃」と名付けられた。
このツボは、単に骨格上の節目というだけでなく、「体の意志(意動)」が最初に動き出す接点でもある。

象徴的な意味と心理的応用
・肩髃は**「決断して、動き出す」エネルギーの出口**。
・意識と動作の接続がうまくいかず、行動が止まっているとき、肩髃に気が滞る傾向がある。
・特に「やらなければと思っているのに体が動かない」タイプの精神的ストレスや、慢性的な不安による筋緊張に有効。

現代的な応用
・長時間のデスクワークやスマホ操作により、肩が内旋し、前方に巻き込まれた姿勢が常態化している現代人にとって、肩髃のこわばりは“動作の入り口”を塞いでしまう。
・ここを開くことにより、**肩関節の自由度が回復し、呼吸の深さも増す**ため、慢性疲労や無気力感の改善にもつながる。

セルフケアの方法
肩先のやや前方を押して、骨と骨の間のやわらかいくぼみを探す。
押すとじんわりした響きや、肩の奥にかけて広がる感覚があるポイントに、親指でゆっくり圧をかける。
同時に深呼吸を意識することで、肩甲帯と胸郭が同時にゆるむ感覚を得られる。

経絡的な役割
手の陽明大腸経の終盤に位置し、**身体の外へと「発信する力」**を肩から全身へと伝えるゲートのような働きを担う。
肩髃の詰まりは、単に関節の可動域制限だけでなく、**感情や意志の停滞として表れることもある**。

補足:このツボを活かす場面
・人前での発言やプレゼンの前
・新しいことを始めたいが、最初の一歩が踏み出せないとき
・「人の目を気にしすぎて肩がこる」タイプの心身症状にも有効

注意点
・腋窩神経に近いため、深部に刺激を加える際は注意。
・炎症や腫脹のある場合、過度の刺激は避けること。

→巨骨(ここつ)

←臂臑(ひじゅ)

→足の陽明胃経

←手の太陰肺経

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