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懸鐘(けんしょう) |

このツボの本質は、単なる脚の痛みの処理点ではなく、**気血の「調律装置」**としての役割です。
英語
Gall Bladder(GB)39
Xuan Zhong(Suspended Bell)
懸鐘(けんしょう)
足の少陽胆経39
The Gallbladder Meridian of Foot-Shaoyang
懸鐘
けんしょう
kensho
取穴部位
外果(外くるぶし)の上3寸で、腓骨の前方またはやや外側。陽陵泉穴と外果の中点よりやや下に位置する。
下腿外側の筋腹部に圧痛点が現れやすく、筋肉の張りと冷え感を伴う部位を目安に取穴すると効果的。
筋肉
短腓骨筋
運動神経
浅腓骨神経
知覚神経
外側腓腹皮神経、浅腓骨神経
血管
前脛骨動脈
主治
- 筋肉のこわばり、特にふくらはぎ~足首の「冷えと重だるさ」
- 脚の痙攣、足がつる、こむら返り
- 頸部の強張りや痛み(胆経の上行ラインに沿って作用)
- 脳血流の循環障害に関連するめまい、ふらつき
- 感情を抑圧した結果としての「ため息」「吐き出せぬ怒り」
名前の由来
「懸鐘」は文字通り「懸(かか)った鐘」の意。古来より鐘は「響き・気の伝達・目覚め」を象徴してきました。この経穴は、**胆経の気血が停滞しやすい下腿外側の“要所”**にあたり、ここを打つことでまるで鐘のように響きが全身に広がると考えられています。
つまり、懸鐘は**「下肢の中に懸けられた調律の鐘」であり、胆経の響きを全身に共鳴させるトリガーポイント**としての役割を担っているのです。
その他・重要な臨床応用
- 伝統的には「骨髄に通じる」とされ、老化に伴う下肢の衰えや運動機能の低下に用いられる。
- 五行では「火の気を鎮め、水の流れを促す」作用があり、興奮・不安・筋緊張の調整に使われる。
- 夜間に足がつる人、冷えのぼせがある人、過剰に思考し頭が熱を持つタイプに特に有効。
- 情緒的には、「無理に抑え込んできた感情をそっと響かせる」助けになるツボとされる。
象徴的意義と施術者へのヒント
「懸鐘」は、身体の奥に張り詰めた緊張が「鈴の音」のように解き放たれるきっかけを与える経穴です。
実際の臨床では、クライアントが深いため息をついたり、無意識の緊張が抜けたりする「静かなる転機の瞬間」が訪れることがあります。
感情を言語化するのが苦手な方、理屈で考えすぎるタイプへのアプローチとしても有用です。

→丘墟(きゅうきょ)
←陽輔(ようほ)
→足の厥陰肝経
←手の少陽三焦経
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