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脊中(せきちゅう) |

臓腑連動・精神調整・意識の中心軸
英語
Governor Vessel(GV)6
Ji Zhong(Spinal Center)
脊中(せきちゅう)
奇経 督脈6
The Du Meridian (Dumaixue)
脊中
せきちゅう
sekichu
取穴部位
第11・第12胸椎棘突起間、正中線上
みぞおちと臍のちょうど中間よりやや上、背部の圧痛点として現れやすい
筋肉
棘上靭帯、棘間靭帯、多裂筋、脊柱起立筋
運動神経
胸神経後枝
知覚神経
胸神経後枝(T11〜T12)
血管
第11・第12肋間動脈背枝
主治
- 胃腸の不調(食欲不振、腹部膨満、便秘、下痢)
- 背中の張り、側湾症や姿勢不良による不快感
- 自律神経のアンバランス(特に交感神経過緊張)
- 夜間頻尿や冷え、消化器と泌尿器の交差性症状
- 慢性疲労や「脳腸相関」由来の集中力低下
名前の由来(オリジナル解釈)
「脊中」とは文字通り“脊(せき=背骨)”の“中(なか)”、つまり**背骨の中央、背の中心軸にあたる要穴**。 古典では脊柱を「督するもの=全身を統べる統帥」と捉える。 脊中はその督脈の要所であり、「**肉体と神経の統率中枢**」ともいえる場所である。 ここが整うことで、全身の骨格や臓腑、精神にまで調和が及ぶ。
中医学的な位置づけ
- 脾胃とのつながりが深く、消化・吸収・気血生成の鍵を握る
- 督脈の気がここで「陽中の陽」を発し、臓腑を温める
- 神(しん)の安定に関わるため、精神の浮つきにも有効
象徴的意義
- 「軸」の中心が整えば、人は“背筋が通る”=自分に正直になれる
- 脊中は“背中で語る器”であり、人間としての芯の強さ・潔さを象徴する
- ここが詰まると「中庸」を失い、外界に振り回されやすくなる
施術のヒント
- 胃腸症状を訴える患者で、腹部よりも背部(脊中)に圧痛があるケースは多い
- うつ伏せで呼吸が浅く、背中が波打つような患者には、脊中から調整を始めると効果的
- ストレス性消化不良や下痢症状には、脊中と神門・中脘の組み合わせが安定的
セルフケア・意識法
- 椅子に座り、ゆっくりと呼吸しながら、背中の中央に「柱が通る」感覚を持つ
- 温灸を用いて背中を温める際、脊中を“芯”として全体が温まるイメージを
- 言葉が乱れがちな時期、自分の“発言の背骨”を整える意識として使うと良い
補足:脊中は「背骨の心」
脊中は、文字通り「背骨の中心」だが、それは単なる物理的な構造ではなく、 “人間の気を支える根幹=志の軸”とも言える場所。 ここに触れるということは、患者の「今の生き方」に寄り添うことでもある。 その意味で、脊中とは単なるツボではなく「**背を預けられる安心感**」を体現するポイントである。

→中枢(ちゅうすう)
←懸枢(けんすう)
→手の太陰肺経
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