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瘂門(あもん) |

“沈黙を抱えた魂”の声を解き放つゲート
英語
Governor Vessel(GV)15
Ya Men(Mute's Gate)
瘂門(あもん)
奇経 督脈15
The Du Meridian (Dumaixue)
瘂門
あもん
amon
取穴部位
項窩(後頭部のくぼみ)の中央で、後髪際(外後頭隆起下縁)から5分(約1cm)入った陥凹部
環椎(第1頚椎)の棘突起下方、頭部と首の境界に位置する
筋肉
項靭帯、棘間筋、僧帽筋上部線維の深層
運動神経
脊髄神経後枝(主にC1)
知覚神経
大後頭神経の枝
血管
頚横動脈上行枝、椎骨動脈の枝
主治
- 失語、構音障害
- 舌の麻痺やもつれ
- 頭痛、頚部のこわばり
- 意識障害、てんかん
- めまい、視界のぼやけ
- 精神不安・意識清明の回復
名前の由来(オリジナル解釈)
「瘂(あ)」とは本来、“言葉を発することができない”状態を指す。 “門”は出入口の意であり、**ここは「声の通り道」が閉ざされる場所**として名づけられた。 この名は、“声が出せない苦しみ”=内なる言葉が表現できない精神状態を象徴している。 つまり「**言葉にならぬ想いが、肉体に現れる場所**」ともいえる。
中医学的意義
- 督脈と脳をつなぐ要穴で、意識・言語・精神活動と深く関わる
- “神”の出入り口であり、精神の清濁を分ける閘門(ゲート)
- 陰陽のバランスが崩れた際、意識障害・言語障害が現れる部位
象徴的な意味
- 「心に秘めた叫び」が身体化して現れるポイント
- “沈黙の出口”とも言える場所で、トラウマや抑圧感情が滞留しやすい
- 意識の深層と表層の境界であり、スピリチュアル的には“魂の声の出入口”ともされる
臨床ヒント
- 心因性の失語・吃音症・言葉のつまる感覚がある方に刺激を
- 頭を冷やして考えすぎるタイプ、言葉にできないストレスがある人には、ここを温灸または軽擦
- 脳への血流促進として、後頭部の締めつけ感に有効
セルフケア・意識法
- 朝、瘂門を人差し指でやさしく円を描くようにマッサージ → その日言いたいことを内心でつぶやく
- 湯船で温まった後、この部分に息を吹きかけるイメージで深呼吸 → 内側に押し込めた言葉の解放
- 「私は感じている。言葉にする準備ができている」と意識することで、魂の喉が開く感覚を得られる
補足:沈黙と表現の“交差点”
瘂門は“言葉にならない声”が詰まる場所。 それは、社会的に言えなかった言葉、家族に飲み込んだ気持ち、自分自身に隠してきた本音である。 ここが開くことで、単に話しやすくなるのではなく、**自分の存在を認める言葉が見つかる**ようになる。 現代人に多い「声にならない生きづらさ」は、まさに瘂門の詰まりとリンクしている。

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→手の太陰肺経
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