HOME | 経絡・経穴(ツボ) | 手の少陰心経 | 少海(しょうかい)

経絡・経穴(ツボ)

少海(しょうかい)

「感情という川が静かに流れ込む、心の内なる港」

押さえつけた怒り、誰にも言えない悲しみ、無意識の焦り。

そうした感情の“端っこ”が、静かに肘の内側に滞っているかもしれません。

少海は、それらをそっと迎え入れ、心の海へと還してくれるツボです。

英語
Heart(HT)3
Shao Hai(Lesser Sea)

少海(しょうかい)(合水穴)

手の少陰心経3
The Heart Meridian of Hand-Shaoyin

少海
しょうかい
shokai

取穴部位
肘を軽く曲げ、肘内側の横紋(肘窩横紋)の内端付近、上腕骨内側上顆のやや前方(橈側)にある凹みに取る。
圧痛点で確かめると確実。指で軽く押して「じん」と響くような場所が目安。

筋肉
円回内筋、橈側手根屈筋(浅層)

運動神経
正中神経(円回内筋支配)

知覚神経
内側前腕皮神経(尺側)

血管
尺側反回動脈、尺側側副動脈

手の少陰心経

主治
・肘の内側痛(特に精神ストレスに関連した緊張によるもの)
・上肢のしびれ、特に小指〜薬指にかけての異常感覚(心経に沿う知覚症状)
・動悸、胸のつかえ、心神不安、焦燥感
・精神的緊張からくる胃の違和感や食欲低下
・発熱や体内の“内熱”に伴う症状(いらだち、赤ら顔、口内炎など)

名前の由来(オリジナル解釈)
「少」は小さな支流、「海」は大きな集積を意味する。
このツボは**“感情の支流”が最終的に集まってくる場所=心の小さな海”**とされる。
心経の合水穴にあたることから、「火の臓(心)」に対して水の力を借りて熱を冷まし、沈静化する意味合いがある。
つまり、**“心火”を鎮めて本来の静けさを取り戻すための重要ポイント**である。

中医学的意義
・少海は、心経の**合穴**に位置するため、**経気が最も深く集まり、内臓(心)に届きやすい場所**。
・精神過労・過剰な思考・緊張による「心火上炎」や「心陰不足」に対する代表的な処置点。
・また、心経が舌・小腸とも連絡するため、舌の異常(もつれ・口内炎)や消化系のストレスにも波及効果あり。

現代的応用・象徴的意義
・肘という「関所」のような場所にあるため、ここは**「感情や思考が行き詰まる場所」**とも言える。
・PC作業、スマホ、仕事、気遣い……すべての“心労”が静かにここに集まり、「肘が重い・だるい・痛む」という形で現れることがある。
・そのため、少海をゆっくり押圧することで、**思考がクリアになる・怒りが静まる・涙が出る**といった解放が起きることも。

セルフケアのヒント
・両手でそっと少海を包み込むようにして深呼吸してみると、呼吸が深まり、緊張が和らぎやすい。
・「心の海に還る」「静けさを思い出す」と意識して触れると効果が高まる。
・人間関係で疲れたとき、夜眠る前の儀式としても使える。

注意点
・尺骨神経に近いため、刺鍼では深さ・角度に注意。
・重度の神経過敏の方は、温灸または軽擦が無難。

→霊道(れいどう)

←青霊(せいれい)

→足の陽明胃経

←手の太陰肺経

関連記事

心 東洋医学