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少衝(しょうしょう) |

「心の深奥から湧き出す、いのちの点火スイッチ」
少衝は“心の井戸口”。
そこからわずかに湧き出る気が、全身へと拡がり、意識・感情・行動に火を灯します。
時にその衝動は暴走し、時に枯れて沈黙します。
だからこそこの一点に触れることが、本来の自分との再接続となるのです。
英語
Heart(HT)9
Shao Chong(Lesser Surge)
少衝(しょうしょう)(井木穴)
手の少陰心経9
The Heart Meridian of Hand-Shaoyin
少衝
しょうしょう
shosho
取穴部位
小指の橈側爪甲根部で、爪の角から約1分(約2mm)離れた位置。
皮膚を観察すると、微かに色調が異なる反応点がある場合、そこが活点であることが多い。
筋肉
末梢部のため明確な筋組織なし。
腱膜・真皮組織を介し、指尖部の感覚と連動。
運動神経
運動神経終末は関与しないが、**自律神経性の末梢反射**に関与する可能性あり。
知覚神経
尺骨神経浅枝
血管
第4背側中手動脈の枝(指背枝)

主治
・心包熱、心火旺盛による昏厥、意識障害、発熱、舌の腫れ、口渇、心悸亢進
・感情過多や興奮による言語混乱、激しい夢、癲狂(てんきょう)
・脳への急激な血流変化を調整する目的で用いられる救急の指端刺針(瀉法)
・産後の意識朦朧、乳児の泣き止まない夜泣き、緊急の気逆(気の突発的な上昇)
名前の由来(オリジナル解釈)
「少」は**穏やかな始まり**、「衝」は**突き抜ける勢い**や**衝動の発露**を意味する。
つまり少衝とは、**“小さな衝動が命の根源から立ち上がる場”**を指す。
心の最奥に宿る原初の意志が、ここから現実に向かって表出する。
それは言葉や行動となる前の、**生きるという衝動そのもの**である。
中医学的意義
・井穴(せいけつ)は気血の源流であり、始まりの地点。
・心経の井穴である少衝は、**“心の気”の源流が最も表面化する場**であり、
心火の暴走を最も素早く調整できる点でもある。
・古典的には「出血させて清熱(せいねつ)する」ことが推奨されており、
緊急時の意識障害や高熱には瀉法(刺絡)が効果的とされてきた。
現代的応用・象徴的意義
・少衝は、**“命の一点”**にアクセスできる急所ともいえる。
そのため、心が極限まで乱れたときに静寂を取り戻すスイッチとして機能する。
・神経症、不眠症、不安発作の発端となる**“微細な心の波”**に先回りして対応できる。
・タッピング療法やマインドフルネスの補助点として、小指端を軽く意識するだけでも
呼吸のリズムが安定し、心拍の不整が整うと感じる人もいる。
セルフケアのヒント
・過緊張時に、小指の爪の横を軽くトントン叩くことで、**内なる衝動を緩やかに逃す**。
・眠れない夜に、両手の少衝を交互にゆっくり揉みほぐすと、心が静まることがある。
・「心に余白がない」と感じたときは、**自分の小指先に意識を集中**してみる。
すると、そこから“心のスペース”が広がる感覚に気づく人も多い。
注意点
・刺絡(血を出す瀉法)を行う場合は、必ず専門家による衛生的かつ適切な方法で行うこと。
・小児や虚弱者に対しては、接触鍼や温灸を用いた穏やかなアプローチが望ましい。
→極泉(きょくせん)
←少府(しょうふ)
→足の陽明胃経
←手の太陰肺経
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