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経絡・経穴(ツボ)

大鐘(大鍾)(たいしょう)

大鐘(たいしょう)—— 響き合う身体、共鳴する魂

静けさのなかにある音ほど、

私たちを奥深くから震わせるものはない。

大鐘に触れるとは、自分の中の“見えない音”を思い出すこと。

英語
Kidney(KI)4
Dazhong(Large Goblet)

大鐘(たいしょう)(絡穴)

足の少陰腎経4
The Kidney Meridian of Foot-Shaoyin

大鐘(大鍾)
たいしょう
taisho

取穴部位
太谿穴のやや下方で、踵(かかと)の骨(踵骨)上際、アキレス腱の前方のくぼみに位置。
やや押しづらいが、指で脈のような感覚を感じる位置に取穴。

筋肉
アキレス腱、長趾屈筋腱

運動神経
脛骨神経

知覚神経
伏在神経(内側枝)

血管
後脛骨動脈(浅層枝)

足の少陰腎経

主治(臨床応用)
・腎虚による慢性の咳嗽(腎不納気)
・足の冷え・だるさ・筋肉の萎縮
・呼吸困難・咳喘息・慢性の喉の詰まり感
・耳鳴り・難聴・ふらつき(腎精不足)
・精神不安・夢の多さ・健忘・集中力の欠如
・痰が多く絡むような虚寒性の疾患に有効

▶ とくに「腎と肺」のつながりを活かした**呼吸・気の貯蔵系の補助穴**として用いられる。

名前の由来(オリジナル解釈)
「鐘(鍾)」とは古代における**重く深い音を鳴らす金属製の楽器**。
また「鍾」には「集まる」「凝縮する」という意味がある。

▶ 「大鐘」とは、**深い谷底に静かに響く大きな鐘の音**を表し、
▶ 腎経における“響き”と“連結”の象徴。

つまり、大鐘は**生命の底から全身に響く“内なる呼び声”**であり、
それは肺や心、耳や意識までも結びつける“共鳴の中継点”となる。

経絡的な意義
・腎経の「絡穴」…腎と膀胱経の連絡路を形成するポイント。
・ここを調えることで、腎と肺、腎と心、腎と膀胱との**双方向のエネルギー交流**が円滑に。

▶ 大鐘は“腎経の共鳴装置”。音のように、気は響き合って循環する。

精神・魂との関係(オリジナル哲学)
・腎は「志」を蔵し、肺は「魄(はく)」を宿す。
・大鐘は、物質の声(魄)と、意志の声(志)を“ひとつに結ぶ”スイッチ。

▶ 心がバラバラに感じるとき、大鐘を使えば“音のような整合”が戻ってくる。
▶ 特に夜、静かに自分の深層に戻りたいとき、**「大鐘の響きに耳を澄ます」ような使い方**をすると良い。

象徴的イメージ(詩的解釈)
・“深い井戸の底で静かに鳴る鐘”
・“肉体という器に響く魂の音”
・“沈黙のなかに現れる真の声”

施術・養生の活用法
・親指で軽く圧をかけながら深呼吸。肺腎の連携を感じるように意識する。
・太溪とセットで使うことで、腎経の“軸と響き”を同時に補強できる。
・耳の違和感(閉塞感、耳鳴り)にも応用可。
・お灸も効果的。とくに冷えと疲労が重なる人には温灸がよい。

現代的な応用
・慢性的なストレスによる内臓機能の低下予防に
・音や感覚に過敏になっているHSP気質の人にも、過敏さのリセットとして効果あり
・呼吸器系と腎系の橋渡し(アレルギー体質や喘息傾向への穏やかなアプローチ)

▶ **「耳をすませば、からだの深奥に響く鐘の音が聞こえる」——それが大鐘。**

→水泉(すいせん)

←太谿(太渓)(たいけい)

→手の厥陰心包経

←足の太陽膀胱経

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