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経絡・経穴(ツボ)

彧中(或中)(いくちゅう)

彧中(或中)とは、ことばの扉。

鍵を開ければ、そこに本当の自分の声がある。

英語

Kidney(KI)26
Yuzhong(Lively Center)

彧中(或中)(いくちゅう)

足の少陰腎経26
The Kidney Meridian of Foot-Shaoyin

彧中(或中)
いくちゅう
ikuchu

取穴部位
前正中線上の華蓋穴(第1肋間)から外方2寸、胸骨縁よりやや外方。
鎖骨の下縁と第1肋間の交点を目安に、肋間隙に沿って取る。

筋肉
大胸筋、第一肋間筋

運動神経
胸筋神経、肋間神経

知覚神経
肋間神経前皮枝、鎖骨上神経

血管
胸肩峰動脈胸筋枝、内胸動脈

足の少陰腎経

主治(臨床応用)
・胸部の詰まり感、胸内苦悶
・呼吸が浅く、深く息を吸えない感じ(特に緊張時)
・のどや胸に詰まる「梅核気(ばいかくき)」
・喉の異物感、声のつまり、不安発作の前兆感
・人前で声が出なくなる、意志が喉で止まるタイプ

彧中は「声」と「気」が交わる場所。魂のことばが、現実に届く起点。

名前の由来(オリジナル解釈)
「彧」は“文雅で礼をわきまえる”という意味を持ち、
内に宿る美しさや知性、魂の奥深い表現力を指す言葉。
「中」は身体の中心=心胸部、魂が音や意志として表現される場所。

▶ **彧中とは、「内なる礼(こころ)」が“ことば”として現れる地点。**

言いたいことが喉で止まり、心が閉じているように感じるとき、
彧中はその“つかえ”をゆるやかに解放し、魂の意志を再び外に出す。

それは単なる発声ではない。“生き方の声”を取り戻すための経穴。

象徴的・エネルギー的意味
・魂の言語中枢。意志を通す「声のゲート」
・胸中の“優しさ”や“奥ゆかしさ”を再び取り戻す場所
・言葉にならない悲しみや怒りを、やわらかく胸の中に返してくれる経穴

▶ **彧中は、“ことばにならない想い”が眠る場所。**

臨床応用のヒント
・喉や胸の違和感が、精神的ストレスや自分否定から来ている人に有効
・感情表現ができず、心を閉じている傾向がある方に
・心身脱力後に「声が戻らない」「胸が抜けた感じ」にも反応良好

セルフケア・養生法
・胸の詰まりを感じたら、やさしくタッピングしながら深い呼吸を数回
・「誰にも言えないことがある」と感じたら、ここにそっと手を置いて自分に語りかけてみる
・温灸や温かい掌で胸を包み、言葉のない自分を受け入れる時間にする

詩的な表現
・「声にならない叫びを、彧中は静かに受け止める」
・「この胸の奥に、伝えたかったことがすべてある」
・「彧中は、魂の“口”——心が言葉を探す場所」

傷ついたことばも、出せなかった想いも、
胸の奥の彧中が、やさしく保管してくれている。

→兪府(ゆふ)

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→手の厥陰心包経

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