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経絡・経穴(ツボ)

少沢(しょうたく)

「心の声を聞き分ける、静かな水の入り口」

少沢は、“命の出口であり、同時に始まりでもある”場所。

それはまるで、小さな沢の水が一滴ずつ心と腸をつなぎ、

私たちの人生の進路を静かに整えてくれるような、そんな働きを持っています。

ただの「小指の端」ではありません。

それは「心の奥から湧き出た真実」が、

いよいよ現実へと姿を現す、その第一歩なのです。

英語
Small Intestine(SI)1
Shao Ze(Lesser Marsh)

少沢(しょうたく)(井金穴)

手の太陽小腸経1
The Small Intestine Meridian of Hand-Taiyang

少沢
しょうたく
shotaku

取穴部位
小指尺側の爪甲根部、爪の角から約1分(約2mm)離れた位置。
皮膚表面に微細な変化(色や温度)を伴う場合、その点が活穴である可能性がある。

筋肉
明確な筋肉構造は存在しないが、末節骨周囲の腱膜組織に連動。

運動神経
直接関与なし(指尖部は主に感覚領域)。

知覚神経
尺骨神経浅枝

血管
尺骨動脈の枝(第5指背側指動脈など)

手の太陽小腸経

主治
・産後の乳汁不足、乳房の腫脹、乳腺炎(通乳・活血効果)
・頭痛、目の充血、耳鳴り、咽喉の腫痛など、上焦に関わる熱症状の初期
・精神興奮、熱感を伴う不眠や興奮状態
・意識混濁、脳震盪後の急性処置(刺絡)
・小児夜泣き、癲癇(てんかん)的発作の発端に対する急処対応

名前の由来(オリジナル解釈)
「少」は“小さな始まり”、「沢」は“潤い・源泉”を意味する。
すなわち少沢とは、**“小さな場所から湧き出る命の水源”**を表す。
小腸経の気血が最初に現れるこの点は、命の根幹に関わる“情報の分別”の出発点。

中医学的意義
・井穴であるため、経絡の起点であり、気の動きが最も鋭敏に表出する場所。
・小腸は「受盛之官、化物出焉(うけもりのかん、ぶつをかしていずる)」とされ、
 つまり、心と連動しながら“真偽”を選別し、“濁”を排出する役割を持つ。
・この作用を開始させるスイッチとして、少沢は“心と腸の意思決定の門”ともいえる。

現代的応用・象徴的意義
・心と腸は現代でも「第二の脳」として密接に関係しており、
 その接点にあたるのがこの少沢穴である。
・選択肢が多すぎて混乱した時、自分が本当に望むことを選び抜くために、
 **小指の内側をゆっくり撫でることで“心腸統一”を促す**ワークも有効である。
・また、心の“濁り”を捨てきれず苦しい時は、
 少沢を軽く刺激することで“出口”が生まれ、自然に流れが整っていく感覚が得られる。

セルフケアのヒント
・深呼吸しながら小指尺側を軽くさすり、心と腸に「今、余分なものを手放していい」と伝える。
・夜泣きや乳房の張りには、母子ともに落ち着いたタイミングでこの穴に温灸をするのも良い。
・心の疲れが言葉にならないときは、少沢に小さな圧を与えるだけで涙が出やすくなる人もいる。

注意点
・刺絡(血を出す瀉法)を用いる際は専門知識と清潔操作が必須。
・体力の低下した高齢者や乳幼児への使用には慎重さが求められる。

→前谷(ぜんこく)

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→足の太陽膀胱経

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