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経絡・経穴(ツボ)

箕門(きもん)

「不要なものをふるい落とし、本来の力を取り戻す場所」

選びすぎて疲れたとき、

もう何が正しいか分からなくなったとき――

身体は静かに、箕門で「いらないもの」を手放そうとしている。

あなたの“本質”を選び取る力が、ここに宿る。

英語
Spleen(SP)11
Jimen(Winnower Gate)

箕門(きもん)

足の太陰脾経11
The Spleen Meridian of Foot Taiyin

箕門
きもん
kimon

取穴部位
膝蓋骨内上角から上に8寸、縫工筋と大腿直筋の間にあり、軽く膝を曲げると筋の間に指がすっと入る場所。
腹股溝からやや下方で、内ももが軽く凹むポイント。

筋肉
縫工筋、大腿直筋、内側広筋(いずれも股関節〜膝に関係)

運動神経
大腿神経(L2〜L4)

知覚神経
大腿神経前皮枝

血管
大腿動脈(大腿三角部に近接)

足の太陰脾経

主治
・鼠径部の痛み、しびれ、つっぱり感
・下肢内側のだるさや冷え(特に脾虚による)
・膀胱炎や頻尿、尿漏れなど排尿障害
・婦人科疾患(特に骨盤内うっ血タイプ)
・性器のかゆみ・炎症・湿熱症状
・脾虚に起因する慢性疲労、重だるさ

中医学的な深意
・箕門は、「陰の門」として陰部・骨盤内の気血の出入り口に当たる要所。
・ここは気血・津液の“濾過点”であり、不要な湿濁を下に流し、必要なものを上に戻す「選別の関所」。
・脾の働き(運化・昇清)を支え、**身体の浄化力と選別力**を整える場である。

名前の由来(オリジナル解釈)
・「箕(き)」とは、穀物をふるい分ける農具。つまり、**不要なものと必要なものを選り分ける象徴**。
・「門」は通り道・出入り口を指す。
・すなわち箕門とは、「内臓の精密な選別作業が行われる場の門」。
 ここが詰まれば、身体は“湿”や“熱”をうまく排出できず、婦人科疾患・下半身の不快感として現れる。

精神的・エネルギー的側面
・人間関係や生活の中で「取捨選択」に迷いすぎて、決断力が鈍っている人はこのツボが滞りがち。
・「断ち切ること」「必要のない縁や執着を手放すこと」に踏み切れないとき、
 箕門に手を当てて呼吸を深めると、心の選別機能が戻ってくることがある。
・また、性的トラウマや羞恥心が身体に染み込んでいると、
 このあたりに「無意識の緊張」が生まれやすく、**セルフケアの場としても有効**。

セルフケアの方法
・仰向けで膝を軽く曲げ、手の指で左右の箕門をやさしく圧迫。
 ゆっくり10秒押して10秒離すを数回繰り返すと、下腹部がゆるみ始める。
・冷えを感じやすい人はカイロや温灸で温めると、骨盤内の「気の流れ」が回復してくる。
・尿トラブルのある方は朝晩2分ずつの刺激で、排尿のリズムが整うことがある。

象徴的な意味
・箕門は「身体のふるい」であり、「魂のふるい」でもある。
・今のあなたに必要なものは何か、もう終わったものは何か。
・このツボは、“静かなる選別の智慧”を呼び起こす。

注意点
・深部に大腿動脈が走るため、**強い圧迫や過度の刺激は禁物**。
・鼠径部の炎症やリンパ腫れがある場合は慎重に扱うこと。

→衝門(しょうもん)

←血海(けっかい)

→手の少陰心経

←足の陽明胃経

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