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府舍(ふしゃ) |

「心と体の荷物をいったん預ける場所」
誰にも話せない疲れや、無意識の緊張。
それらが静かに蓄積していく場所に、気づくこと。
――府舍は、そんな「内なる休憩所」であり、
また再び歩き出すための、“魂の宿場町”なのかもしれません。
英語
Spleen(SP)13
Fushe(Bowel Abode)
府舍(ふしゃ)
足の太陰脾経13
The Spleen Meridian of Foot Taiyin
府舍
ふしゃ
fusha
取穴部位
大横穴の下4寸3分、衝門穴の上7分に位置する。臍(へそ)より下方かつやや外側にあり、腹部の皮下脂肪層が比較的厚い部位に取る。仰臥位で膝を立てると腹直筋の緊張が緩み、取りやすくなる。
筋肉
外腹斜筋、内腹斜筋(体幹の回旋と姿勢維持に関与)
運動神経
肋間神経、腸骨下腹神経、腸骨鼡径神経
知覚神経
腸骨下腹神経前皮枝(腹部の皮膚感覚に関与)
血管
浅腹壁動脈、下腹壁動脈(腹部前面の栄養を司る)

主治
・下腹部の張りや違和感、冷え感
・婦人科疾患(子宮筋腫・月経異常・更年期障害)
・男性の下腹部重だるさ、精力低下、倦怠感
・消化機能の低下(食欲不振、便秘、ガス)
・神経性胃腸症、慢性の腹部緊張状態
中医学的意義
・「府」は**蔵する場・集まる場所**、「舍」は**宿る・憩う**ことを意味する。
・すなわち「府舍」は、**血・気・精の溜まる“蔵の入口”**としての意味合いを持つ。
・このツボを整えることで、**脾と肝の調整**が進み、内臓の調和がとり戻される。
名前の由来(オリジナル解釈)
・「府」は物質的な集まり、「舍」は精神的な拠り所。
・つまり「府舍」とは、身体的エネルギーと精神的安定が交差する“内なる宿場”を意味する。
・現代的にいえば、**情報過多・感情疲労から一時的に心身を解放する“内なる避難所”**のような存在ともいえる。
精神的・エネルギー的側面
・府舍の気が滞ると、無意識の「我慢」が下腹部に蓄積する。
・怒りや不安ではなく、「仕方がない」という感情が支配しやすい。
・しかしそれは、自分でも気づかない“慢性的な抑圧”のサイン。
・このツボを調えると、**言葉にできない閉塞感がほどけ、“今ここ”に安らぎが戻る**ことがある。
セルフケアのヒント
・両手の指を軽く重ねて、府舍周辺を円を描くようにマッサージ。
・腹式呼吸を意識しながら、「ありがとう」「よく頑張ってるね」と心の中で声をかける。
・府舍は、**“自分の本音”がそっと隠れている場所**。
・その本音に耳を傾けることで、過剰な緊張がゆるみ、自然な治癒力が動き始める。
象徴的な意味
・府舍は「内なる蔵への入口」。
・自分の奥深くにある“感情と記憶の倉庫”を、優しく守る門番のような存在。
・このツボを通して、自分自身に「戻る」感覚を取り戻そう。
注意点
・深部に腹腔内臓器(特に腸)があるため、強い押圧や刺鍼は避ける。
・術者は腹壁の厚さや緊張度をしっかり見極め、優しくアプローチすることが望ましい。
→腹結(ふくけつ)
←衝門(しょうもん)
→手の少陰心経
←足の陽明胃経
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