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経絡・経穴(ツボ)

腹結(ふくけつ)

「未消化な感情の結び目を解く鍵」

人の“腹”は、ただの消化器ではない。

そこは、心が言えなかったこと、飲み込んだ思いが眠る場所。

腹結に触れるとは、過去の自分と今の自分を「再び結びなおす」こと。

結ばれすぎたものを、ほどく――

そこから本当の「流れ」がはじまる。

英語
Spleen(SP)14
Fujie(Abdominal Bind)

腹結(ふくけつ)

足の太陰脾経14
The Spleen Meridian of Foot Taiyin

腹結
ふくけつ
fukuketsu

取穴部位
大横穴の下1寸3分に位置し、臍のやや外側下方。仰臥位で軽く膝を立て、腹直筋の緊張を緩めた状態で取ると明確に感じられる。

筋肉
外腹斜筋、内腹斜筋

運動神経
肋間神経、腸骨下腹神経、腸骨鼡径神経

知覚神経
肋間神経外側皮枝、腸骨下腹神経前皮枝

血管
浅腹壁動脈、下腹壁動脈

足の太陰脾経

主治
・腹部の張り、圧痛、便秘、下腹部のしこり感
・脾胃虚弱による食欲不振、慢性消化不良
・月経困難症、子宮内膜症、腹部の冷えによる不妊症状
・腹部の緊張に起因するイライラや神経過敏
・不安や自己抑圧による“胃のあたりが詰まる”感覚

中医学的意義
・「結」は“こり固まる・絡まる”という意味。
・“腹”は心身の中心であり、脾胃が機能する場。
・つまり**腹結とは「気血が鬱滞し、絡まりやすい場所」**であり、
 心身の緊張・未消化な感情が「塊」となって表れやすい箇所である。

名前の由来(オリジナル解釈)
・「腹結」は、自分でも気づかないうちに“絡まってしまった内なる結び目”を象徴する。
・それは未解決の感情、呑み込んだ言葉、無理な我慢…すべてが「結」となって残る。
・このツボは、それらを**優しくほぐし、“本来の流れ”に戻す門**となる。

精神的・エネルギー的側面
・このツボが滞ると、人との境界線を曖昧にしやすくなる
・「相手を優先してしまうがゆえに、自分の感情を封じる」傾向がある人は特に反応が出やすい。
・“腹が立つ”という感覚を抑圧しているとき、腹結が無言で主張してくる。
・そこには「まだ本音がほどけていないよ」という**心からのサイン**がある。

セルフケアのヒント
・仰向けに寝て、手のひらで腹部を時計回りに円を描くようにやさしく撫でる。
・呼吸に合わせて「吐くと同時に、結びがほどける」と意識する。
・軽くツボを押さえながら、「今の自分の感情はどこにあるか」を感じてみる。
・腹結は“無理して笑っている自分”に気づくための、心の触診点でもある。

象徴的な意味
・腹結は「消化しきれなかった感情の宿る場所」。
・過去に飲み込んだ言葉たちが、ここで静かに“ほどかれる”のを待っている。
・このツボを調えることは、**自分との関係を修復する第一歩**となる。

注意点
・過度な押圧や強刺激は逆効果。
・「感情の詰まりをほどく」ことを意識し、深部をやさしく解放する意識で施術する。
・腹部の冷えや膨満感がある場合は、温灸やホットタオルの併用がおすすめ。

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