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経絡・経穴(ツボ)

陥谷(かんこく)

「気がのぼりすぎたとき、谷に落ち着かせる」ツボ

情緒や身体の“過剰”を自然に収めてくれる、静かなる浄化の場とも言える経穴です。

現代人の「アクセルを踏み続ける」ライフスタイルには、まさに必要な調整点でしょう。

英語
Stomach(ST)43
Xiangu(Sunken Valley)

陥谷(かんこく)(兪木穴)

足の陽明胃経43
The Stomach Meridian of Foot Yangming

陥谷
かんこく
kankoku

取穴部位
足背、第2中足指節関節の後方、外側のくぼみ。
足の指の付け根(第2指)近くで、軽く指を動かすと陥凹が現れる位置に取る。
「谷」のように少しへこんでおり、触れてみると「気が沈み流れる」感じがあるのが特徴。

筋肉
短指伸筋、第2背側骨間筋

運動神経
深腓骨神経、外側足底神経

知覚神経
浅腓骨神経

血管
第2背側中足動脈の枝

足の陽明胃経

主治
・足の甲の痛み、足趾のこわばり、歩行困難
・顔面神経痛、歯痛、偏頭痛
・熱感を伴う感情の興奮、不眠、焦燥感
・胃熱による口臭、口渇、便秘など

中医学的解釈
・陥谷は**足陽明胃経の兪木穴**で、「気が谷のように集まり、木のように外へと発散する性質」を持つ。
・胃経の熱や風(=急な変動)が上半身に上りすぎたとき、このツボで余分な熱気を「谷に落とす」ことで調整する。
・特に、**情緒の高ぶりによって引き起こされる身体症状(頭痛、歯痛、顔面紅潮など)**に有効。

名前の由来(オリジナル解釈)
・「陥」は沈む、へこむ意。「谷」は水や気が集まる場所。
・このツボは、上にのぼり過ぎた熱や気(ストレスや興奮)が**自然に落ち着く“気の受け皿”のような存在**である。
・ゆえに陥谷は、**体と心の過熱を冷ます“静かな谷間”**として理解するとよい。

精神的・エネルギー的な側面
・思考が暴走しがちな人、感情の波が激しい人にとって、**地に足をつけ直すツボ**として重要。
・グラウンディングと同時に、体に溜め込んだ“怒り”や“緊張”を足から排出する出口となる。
・静かにこのツボに触れることで、**「自分の中心に戻る感覚」**が呼び覚まされる。

臨床応用
・急性の顔面痛、歯の腫れや炎症など「上部に上った熱」による症状に、熱を引き下ろすために使用。
・歩行時の足のこわばりや痛み(特に中足部)にも応用可能。足趾の動きをスムーズにする調整点として用いる。
・胃の不調が原因で起こる「神経症的症状(焦燥、不眠、情緒不安定)」に対し、胃熱を冷ましつつ心を鎮める補助となる。

セルフケアのすすめ
・入浴後や寝る前、足の甲をやさしくマッサージしたあとに陥谷を軽く押す。
・ストレスで頭に血がのぼって眠れないとき、このツボを使って「気を下ろす」と落ち着く。
・心身が“空回りしている”と感じたときに触れることで、**呼吸が自然に深まりやすくなる**。

注意点
・皮膚が薄くデリケートな部位のため、強刺激は避ける。
・長時間の圧迫よりも、**短く穏やかなリズム刺激**が効果的。

→内庭(ないてい)

←衝陽(しょうよう)

→足の太陰脾経

←手の陽明大腸経

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