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経絡・経穴(ツボ)

天井(てんせい)

天井は、心の燃えすぎを鎮める“空の栓”。

 生き急ぐ者のための、気の抜け道。

英語

Triple Energizer(TE)10
Tianjing(Celestial Well)

天井(てんせい)(合土穴)

手の少陽三焦経10
Triple Energizer (Triple Heater TH) Meridian of Hand-Shaoyang

天井
てんせい
tensei

取穴部位
肘頭(肘尖)の上方1寸、上腕三頭筋腱の外側縁に取る。
肘を軽く曲げた状態で、三焦経の経脈を追ってたどると、
押圧にやや痛みがあり深く響く圧痛点が明瞭に触知できる。

筋肉
上腕三頭筋腱(長頭・外側頭)

運動神経
橈骨神経(上腕伸筋群の支配)

知覚神経
後上腕皮神経

血管
肘関節動脈網、上腕深動脈

手の少陽三焦経

主治(臨床応用)
・肘関節の痛み、伸展時の違和感、運動制限
・肩・腕のだるさ、熱感、頸肩の疲労感をともなう上半身のうっ血
・耳鳴り、のぼせ、片頭痛など、陽気の上昇による症状
・熱中症の前駆状態や、精神的緊張による顔面紅潮や動悸
・慢性的なストレスで肘から先が冷たく感じるタイプの「上熱下寒」状態

“熱”が上に溜まると、頭は重く、心は焦げる。
天井は、熱の出口であり、心身の放熱バルブである。


名前の由来(オリジナル解釈)
「天井」とは、読んで字のごとく“天の井戸”——
**空に通じる井戸口**、つまり「陽気が上り詰めた最終点」の意が込められている。
経絡的には、陽気が腕をめぐって昇り、ここで「抜ける」。
熱が上にこもりすぎたとき、
このツボが開くことで、天へと「放つ」ことができる。

天井は、陽の気の出口であり、天に祈る場所。
肘の上で開く、“内なる祈りの口”である。


精神的・象徴的な意義
・過剰な責任感、怒り、沸き立つ感情——
 それらが処理されず、頭部に滞るとき、
 天井は“昇り詰めた陽気”の排出口となる。
・「頑張りすぎる人」「許容量を超えて背負う人」の心身を解放する経穴。
・「天を見上げたくなるような、孤独な夜」の中でも、
 内なる自己と静かに向き合う“井戸の口”を開く鍵。

心に火が灯ってもよい。だが、その煙を抜く道が必要なのだ。
 天井は、燃える心の“煙突”である。


臨床応用の組み合わせ
・テニス肘、肘の伸展障害には:天井+曲池+少海
・肩こりからの頭痛やのぼせには:天井+風池+百会
・耳鳴り・顔面紅潮には:天井+翳風+聴宮
・心の熱が冷めず寝つけないとき:天井+神門+内関

セルフケア・養生法
・ストレスを強く感じた日の夜、肘の外側を温めながらゆっくりと天井を5秒押す。
・肘に「抜け」を作ることで、頭にたまった熱を逃がす習慣を。
・怒りや焦りが抑えられないとき、ここを“天に抜ける穴”として静かに指を置く。

詩的表現
・「天井は、昇りつめた熱の煙突。心の湯気を、空へと抜ける通り道。」
・「気が上り詰めたとき、手を天に差し出すように、ここを押す。」
・「この肘の奥に、天とつながる井戸がある。」
・「昇るばかりでは苦しくなる。井戸のふたを、そっと開けよう。」

→清冷淵(せいれいえん)

←四瀆(しとく)

→足の少陽胆経

←手の厥陰心包経

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