中医学で読み解く大うつ病の本質と治療法
大うつ病の特徴
以下のうち4つ以上が当てはまる場合、大うつ病の可能性が考えられます:
- 睡眠障害
- 食欲低下や体重減少
- 活動性の著しい低下
- 原因不明の身体的愁訴
- 25歳以降の発症
- 6ヶ月以上続く抑うつ状態
- 双極性障害の家族歴がない
引用:Mitchell PB, Goodwin GM, Johnson GF, et al. Diagnostic guidelines for bipolar depression. Bipolar Disorders, 2008.
中医学と現代医学の違い
現代医学では大うつ病は主に「脳内神経伝達物質の異常」として捉え、抗うつ薬による対症療法が主流です。しかしながら、副作用や長期使用のリスクも指摘されており、再発を繰り返す例も少なくありません。
一方、中医学では「気・血・津液(しんえき)」の循環と「五臓六腑」のバランスを重視し、心神(しんしん)の乱れや肝気鬱結(かんきうっけつ)、脾虚(ひきょ)、腎虚(じんきょ)などを根本原因として捉えます。大うつ病は単なる精神疾患ではなく、心身一如の全体的な乱れと見るのです。
鍼灸・整身・整息メソッド
当院では、大うつ病に対し以下のような方法を用いた根本療法を行っています:
使用する経絡・経穴の例
- 三陰交(さんいんこう)- 気血の巡りを整え、女性ホルモンや消化機能にも関与
- 百会(ひゃくえ)- 自律神経を整え、気の上昇を安定させる
- 心兪(しんゆ)・膈兪(かくゆ)- 心神の安定と胸部の詰まりに対応
- 腎兪(じんゆ)- 生命力の源である腎精を補う
整身・整息の実践
呼吸と姿勢の調整を通じて自律神経と内臓機能を整える方法で、坐禅の原理を取り入れた独自メソッドを実践しています。呼吸は「吐く」を中心に、身体をゆるめながら行い、意識は丹田(たんでん)に置きます。
市販の温灸器やお灸でも自宅でセルフケアが可能です。正しい知識と方法を学ぶことで、病院に依存しない生き方を目指す方に寄り添うケアが可能となります。
参考文献
うつ病の臨床:現代の病理と最新の治療 神庭重信編
最新医学社 大阪 2016
大うつ病 関連リンク
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関連外部リンク
Major Depressive Disorder
National Library of Medicine
Major Depression
The Johns Hopkins University
Major Depression
Harvard Medical School.
井出 貴之(鍼灸師)