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水溝(すいこう) |

臨床応用:
パニック障害での過呼吸時、「水溝+素髎」を併せて軽く刺激することで、呼吸と意識の調律が期待できる。
顔のゆがみ(片側への引きつれ)を診る際、水溝が顔の中心線としての基準点になるため、観察と調整に有効。
古典引用の創作例:
「魂、鼻より出て、口に帰る。水溝はその交わり、意の門なり」
英語
Governor Vessel(GV)26
Shui Gou(Water Trough)
水溝(すいこう)
奇経 督脈26
The Du Meridian (Dumaixue)
水溝(すいこう)
suiko
取穴部位
鼻中隔の直下で、人中(鼻と上唇の間)の正中線上に位置する。唇を軽く閉じた状態で探ると、最も窪んだ一点に“気の滞りやすい澱み”を感じる。この点を指先で微細に感じることが、診断と治療の起点となる。
筋肉
口輪筋に属し、表情・発声・呼吸補助に関与する顔面筋の中心。
運動神経
顔面神経(特に口輪筋支配枝)が関連。
知覚神経
三叉神経・第2枝(上顎神経)が支配する。
血管
上唇動脈、顔面動脈の枝が走行する。
主治
・急性の昏厥(気絶)
・癲癇、脳卒中後遺症の口の歪みや意識障害
・顔面神経麻痺、特に口角のゆがみを伴う症状
・歯ぎしり、睡眠中の口周りの緊張
・急激な精神緊張による過呼吸、パニック時の意識混濁
・顔面のむくみ、頬の浮腫
名前の由来(オリジナル解釈)
「水」は“流れ・潤い”を、「溝」は“通り道・たまり場”を示す。
「水溝」とは、**天と人をつなぐ“気”と“情”の一時的な集積所**ともいえる。感情が表情となり、言葉となって出るこの部位には、**内なる世界と外界の橋渡し**としての役割がある。怒り、喜び、悲しみが“表に出る”時、もっとも揺れるのがこの部位である。
また、五臓のうち「心(しん)」は舌に開竅し、唇・口周囲にも現れることから、**水溝は“心神の発露点”**とも呼ばれうる。
その他の重要事項(オリジナル視点)
・水溝は督脈上にある「要穴」であり、上昇する陽気が最終的に顔面へと至る“気の交差点”でもある。陽気が過剰な時にはこの穴を通じて“気の逆流”を防ぎ、逆に沈んだ気を引き上げる「引火点」にもなる。
・「急に気を失った時は水溝をつねれ」と古典にあるように、このツボには**命の炎を再点火する役割**がある。現代の応急処置では軽視されがちだが、**指一本で魂を呼び戻すツボ**として、古来から用いられてきた。
・表情筋・呼吸・発声が交わるこのポイントは、**人間の「表現の要」としての意義も強く、言葉に詰まった時、思考が渋滞した時にここをなぞることで“内なる流れ”が整う**という感覚を得る者も多い。
・顔面神経麻痺など、**「左右非対称」の病には特に重要**で、全身の正中を正す督脈の流れの中でも、水溝は“顔の軸”を整える起点となる。

→兌端(だたん)
←素髎(そりょう)
→手の太陰肺経
←任脈
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