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経絡・経穴(ツボ)

兌端(だたん)

応用ポイント:

食いしばりや唇噛みのクセがある患者に、兌端を指圧してもらうことで「無意識の緊張」を手放しやすくなる。

脾気虚の症状(倦怠感・甘い物欲求)に対して、唇の質感や兌端の感覚を診察することで内臓の状態を反映しやすい。


「兌端は言葉の門、ここを正せば、口より出るは言霊なり」

英語
Governor Vessel(GV)27
Dui Duan(Extremity of the Mouth)

兌端(だたん)

奇経 督脈27
The Du Meridian (Dumaixue)

兌端(だたん)
datan

取穴部位
上唇の上端正中、皮膚と粘膜の境界線上。唇を自然に閉じたとき、鼻下溝の最終点と上唇の赤唇部の始まりのわずかな接点に位置する。この一点は、食物が体内へ入る前に“氣”が最後に触れる場所でもある。

筋肉
口輪筋(表情・発声・吸啜動作に関与)

運動神経
顔面神経(口輪筋支配枝)

知覚神経
三叉神経 第2枝(上顎神経)

血管
上唇動脈(顔面動脈の枝)

主治
・口唇のひきつり、痙攣(特に熱証による)
・歯肉の腫れ、口内炎、上唇周囲の炎症性症状
・唇が乾きすぎる、あるいは痺れを感じる状態
・精神的ストレスが口元に出る(歯ぎしり、唇を噛む癖など)
・過剰な思慮・心配による消化器系への影響

名前の由来(オリジナル解釈)
「兌」は五行で“金”に属し、また口・喜び・語りを象徴する字。「端」は“はじまり・先端”を意味する。
すなわち「兌端」とは、「口を通しての表現・喜び・意志が発せられる最初の一点」であり、**言葉・気持ち・食物の流れの“出入口の端”**を指す。
これは単なる解剖学的部位ではなく、「人が“自我”を発信する起点」であり、**心と身の間にある“門”**でもある。

その他の重要事項(オリジナル視点)
・兌端は、飲食・呼吸・会話・感情など、**“口”という行為の始発点であり終着点でもある**。このツボは、これらすべてのバランスを見直す起点として重要である。

・この部位は極めて繊細で、わずかな腫れや熱感も全身状態を反映しやすい。**「気は端より乱れ、端より治まる」**との観点から、心身の乱れの初期兆候がここに現れることも多い。

・唇は「脾の華」であり、兌端は“脾の調子を映す鏡”ともいえる。心配性や思慮過多で唇を噛む癖がある人は、このツボを用いて“脾神”を鎮めるアプローチが有効。

・また、兌端は督脈の終点として、体内を昇りきった「陽気」が顔面で最後に集まる場所。ここに熱が籠ると“口唇の紅潮・乾燥・熱感”として表れ、それを調えることで**全身の陰陽バランスを整える鍵**となる。

・古典的には「兌端、心意の関門なり」とも伝わる。これは、“心で思い、口に出る”その一歩手前に位置するツボであり、**言葉を発する勇気や抑える知恵、両方に関わる“静かなる制御点”**といえる。

督脈

→齦交(ぎんこう)

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→手の太陰肺経

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