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経絡・経穴(ツボ)

齦交(ぎんこう)

精神的疾患やストレス症状への応用:
齦交は、発語障害・吃音・不安時の口腔緊張(口の中が熱い、苦い感じ)の治療点として、心の中心から外に出す流れを開くポイント。

「齦交とは、沈黙の果てに生まれる真の言葉の泉である。」

英語
Governor Vessel(GV)28
Yin Jiao(Gum Intersection)

齦交(ぎんこう)

奇経 督脈28
The Du Meridian (Dumaixue)

齦交(ぎんこう)
ginko

取穴部位
上歯ぐきの正中部、上唇小帯の直下。
上唇をめくり、前歯の歯根部の歯肉と粘膜が交差する“気の止まり場”に位置する。

筋肉
粘膜下組織であり、直接的な筋肉は少ないが、周囲は口輪筋・上唇挙筋の影響を受ける。

運動神経
顔面神経(間接的に口輪筋を支配)

知覚神経
三叉神経 第2枝(上顎神経・前上歯槽神経)

血管
前上歯槽動脈(上顎動脈の枝)

主治
・歯肉の腫脹、出血、上唇内側の熱感・腫れ
・鼻出血、口腔内出血の調整
・口腔粘膜のびらん、潰瘍
・失語、言葉が出づらい症状
・意識障害時の蘇生補助(古法にて)

名前の由来(オリジナル解釈)
「齦(ぎん)」は“歯肉”のこと、「交」は“交わる・合一する”の意。
つまり、「齦交」とは**督脈が体内から上昇し、気血が“口腔と外界の接点”で交わる場所**であり、**内なる意志が外に伝わる寸前の静かな合流点**を示す。

督脈はこの経穴で“終わり”を迎えるが、それは“閉じる”ではなく、「語る」「伝える」「発する」という**新たな始まりのための終点**である。

その他の重要事項(オリジナル視点)
・齦交は、**全身の陽気が上昇しきって“口”に至り、そこから“言葉”や“意思”として放たれる直前の場**である。沈黙のなかに気が充ちるこの場所は、「話す前の一拍」=**思慮・静謐・中心軸の再確認点**といえる。

・唇の裏側という“誰にも見えない”位置にあることから、齦交は「内面の真実」「魂の声」を象徴するツボと捉えられる。
 → ここが熱しているときは、自分の本音を言えずに葛藤している状態が多くみられる。

・齦交は督脈の終着点であり、**身体のすべての陽経の統合点**としても働く。この点を用いて、上焦の熱や鬱結を開き、下に下ろす治療法も古典には存在する。

・古来、「齦交に氣集まれば、舌の根動き、心の声通ず」と言われ、舌の動きや発声障害への調整点としても重要視された。

・臨床的には、過度のストレスや内熱により「歯ぐきの腫れ・出血」が出る患者に、齦交の反応を診ると、“言葉にできない怒り”や“飲み込んだ葛藤”が存在していることが多い。ここへの軽い刺激や意識的な指圧で、感情の流れが整う例もある。

督脈

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