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章門(しょうもん) |

「章門」は構造的にも臓腑的にも境界点・転換点としての意味が強いツボです。
単なる“肝経の一部”ではなく、**身体の物語を聞く“門”**として、臨床で使用します。
英語
Liver(LV)13
Zhang Men(Camphorwood Gate)
章門(しょうもん)
足の厥陰肝経13
The Liver Meridian of Foot-Jueyin
章門
しょうもん
shomon
取穴部位
仰臥位あるいは側臥位で、肋骨弓に沿って第11肋骨の前端を確認。
その下縁に沿って外腹斜筋を押し分けたところに章門穴がある。
第11肋骨は浮遊肋(浮肋)であるため、過度な圧迫には注意が必要。
筋肉
外腹斜筋、内腹斜筋
運動神経
肋間神経(第11肋間神経)
知覚神経
肋間神経外側皮枝
血管
肋間動脈、腹壁動脈の枝
主治
- 肝気鬱結による肋骨周囲の張痛・緊張
- 胃腸障害(ガス・消化不良・腹部膨満感)
- 月経不順・子宮周辺の冷え
- 慢性疲労による右季肋部の重苦しさ
- 脾不和・肝脾不調による食欲不振
- 心理的な“解決されない怒り”の蓄積
名前の由来
「章」とは“明らかになる”または“文章・物語”を意味し、「門」は“出入り口”のこと。
すなわち章門とは、肝の物語が始まる門であり、
その人の感情、生活、消化、内的エネルギーがどのように物語られているかが現れる場所。
肝経に属しながらも、脾の募穴でもあるという特殊な二重性を持つ点が最大の特徴であり、
**陰陽が交差する“内臓間のハブ”**としての役割を担っている。
臨床的意義(独自視点)
- 章門は、身体の“感情的な履歴”が保存されやすい場所。過去の怒り、抑圧、葛藤が「張り」や「違和感」として現れる。
- 左右の章門を比べることで、**肝気の偏在や脾気の虚実**を見分ける指標となる。
- 女性の場合、PMSや更年期障害に伴う感情の波が章門に現れやすく、軽いタッチでの手当てが深い癒しにつながる。
- デスクワークや心配性による「みぞおち下の硬さ」がある人にとって、章門は“呼吸と感情の開放口”となる。
東洋哲学的考察
章門は、五臓六腑の「会話」が行われる場として古典で重視された。
肝は“将軍の官”、脾は“倉廩の官”と呼ばれるが、章門ではこの二者が出会い、
「行動する意思(肝)」と「滋養の確保(脾)」が相互に調整される。
この調和が崩れると、「やる気はあるがエネルギーが出ない」「考えすぎて動けない」という状態になる。 章門を整えることは、すなわち**“意思と身体の協働”を取り戻す鍵**となる。
補足(感覚としての章門) - 鍼灸施術では、深刺しよりも軽い圧や温灸が向く。
- 自律神経を整えるための**呼吸誘導とセット**で用いると効果的。
- 内臓整体やオステオパシーの腹部施術においても、この位置が「腹腔内圧の分岐点」となるため重視される。

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